あいかわ公園自然観察ガイド

嫌われがちな毛虫から大人気のクワガタたち、更には季節の植物まで。たくさんのあいかわ公園の自然を紹介していきます。ネタを見つけたら更新中。画像の無断転載は禁止です。

オオバコ科の植物とオオイヌノフグリのお友達

植物の名前が分からなくとも、花や葉の特徴からある程度の仲間を絞ることができます。
先日はシソ科植物の花の形を記事にしましたが、本日はオオバコ科を紹介します。お花を見る楽しみが増えると幸いです。
オオバコ科と言えば、どこでも見ることができる植物としてオオイヌノフグリがあげられます。

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青と白の色合いがとても綺麗な花
秋に芽生え、冬に花をつけるので一般的な花のイメージとはかけ離れているかもしれませんね。ただいま公園各所で咲いています。
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公園ではまだ見つかっていないが、オオイヌノフグリのお友達
植物を知らない方でも、同じような花の植物であることが見てわかるのではないでしょうか?
左はオオカワヂシャ、右はクワガタソウといいます。
4枚の花弁と、花の真ん中あたりからでる2本の触角のようなもの(おしべ)が特徴的ですね。


これがオオバコ科クワガタソウ属の基本的な形です。
夏に大人気の昆虫であるクワガタは、実は植物にもいたんですね。しかし、ただただ適当に名付けられているわけではありません。
よーくみてみると、この花たちの2本のおしべがクワガタの角のように見立てられませんか?

この植物は種の形もかなり面白いです。オオイヌノフグリの名前の由来は種の形を見ればわかりますので、ぜひ今回の記事を参考に探してみてくださいね!

最高のすべすべ感 ビロードモウズイカ

あいかわ公園内では、実にいろいろな自然環境があります。ダム方面では常に水しぶきが飛んでくるため水けを好むような植物が生えていたり、絶壁で風通しが良いために外来種とされる植物が公園内よりも多く見られたりと違いを感じられます。

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ぬいぐるみのような毛が綺麗
石小屋ダム付近の壁を見ていて、まず目立つのはふさふさの毛がとても目立つビロードモウズイカだと思います。触ってみればその感触はぬいぐるみのような質で、ビロードの名がつくのも頷けます。
この植物はかなり大型になる植物で、花の時期には花の茎がにょきにょきと伸びてきて最大で2m近くの大きさになる驚くべき植物なのです。
その姿はまるで花の塔。夏の季節にもし背丈の異常に高い花を見つけたらこの、ビロードモウズイカかもしれません。
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花は3月頃なのでまだですが、とてもかわいい
石小屋ダム方面では、ビロードモウズイカと並んでやたらと数を見かける植物もあります。
写真のキュウリグサは名前の通り葉っぱからきゅうりのにおいがする面白い植物です。
あいかわ公園の自然観察ガイドでも人気の1ネタです。 花は3月頃から咲き始めますがこれまた青い2~3mmの花でかわいらしい。
そんな大人でも子供でも楽しめる植物なので、見かけたらぜひ葉をちぎってにおいを嗅いでみてください。 面白い香りにつられて、全部の葉っぱを取ったりしたらダメですよ(笑)

水が流れるところに生える植物たち その2

昨日に引き続き沢沿いに生える植物の紹介です。

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表か裏か?一体どちら?
湿った場所に生える植物の中でも、とりわけ大型で数も多く目立つのはリョウメンシダです。写真のリョウメンシダは表でしょうか?それとも裏なのでしょうか?

パッと見てしまうと裏のように見えるかもしれません。実は表です。
非常に大きく、まとまって緑の壁のように生えるので、狭い沢沿いを歩いていると見た目以上の圧迫感があります。気分はジュラシックパークです。

また、岩場や湿り気の多い斜面では、ゼニゴケ類もかなり見かけます。辺り一面を緑色のじゅうたんのように染め上げる様は圧巻です。

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ゼニゴケ類
ゼニゴケ類を見ていると、写真右のようなお椀状の物体を見かけることがあります。これは有性ではなく無性で増えるゼニゴケのクローンなのです。
見逃してしまうような突起にそんな役割があるなんて、植物の世界は面白いですね。

水が流れるところに生える植物たち その1

先日の記事で、あいかわ公園に流れる3つの沢の話をしました。普段は人が入ることのない水辺にはいったいどんな植物があるのでしょうか?

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鮮やかな赤色が目立つ
まずはフユイチゴです。土の中に水分を多く含むような場所が大好きで、日の当たらない場所でよくみつかります。

実は粒が大きく、いかにも野イチゴの仲間と言った姿です。まさにその通りでフユイチゴは食べることができます。私は、フユイチゴの果実自体を見かけることが全くなかったので食べたことがありませんが、ジャムなどにするとおいしいようです。


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春の水辺と言えばネコノメソウの仲間
まだ花が咲くには早いですが、独特な色合いが特徴のイワボタンかヨゴレネコノメがみつかりました。写真は去年撮ったものですが、水の有る場所で見かける植物です。

沢の端っこや、ちょろちょろと水が流れる岩場などで見つかります。2種は非常に似ているのですが、写真中央の花の一部が黄色か、赤色かでそれぞれイワボタンとヨゴレネコノメに判別できます。
中心につく花の色合いが、周りの葉と比べて目立ち、その様を猫の目が光るように見立てたようですね。

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お友達のヤマネコノメソウのタネ
ネコノメソウの仲間は、種の様子も猫の目のように見えて面白いです。春先の3月辺りによく見かけますので探してみてはいかがでしょうか。

冬に見かけた虫たち その3

あいかわ公園には噴水広場やじゃぶじゃぶ池のような水辺のほかに、実は天然の水辺があります。 一般の方は橋の上から見下ろすしかないのですが、山から流れてきた水が流れ出る沢が3ヶ所に通っています。

その中でも冒険の森近くの沢には少なからず水が流れており、水を好む生き物が見られたりするのです。

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エイリアンのような見た目がかわいい
沢の石をひっくり返してみると、ヘビトンボの幼虫がたくさんみつかりました。写真の黒い部分が頭です。鋭い顎で他の生き物を食べてしまいます。大きな幼虫には注意が必要ですね。

そんなヘビトンボは、綺麗な水を示す指標生物だそうでサワガニやブユなどと同じくきれいな水の証拠だそうです。汚れた水では生きていけない生き物がいるくらい綺麗な水なんですね。指標としては、ホタルの住む環境よりも上のようです。すごいですね!

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実はハリガネムシも?
公園で、人気者であったハリガネムシも実は水の中に生きるものだったりします。あいかわ公園の沢には他にどんな生き物がいるのか、気になってしまいますね。

沢沿いと言えば、湿気が多いので植物も公園内とは違ったものが見つかります。明日は、そんな沢沿いで見られる植物を紹介します。

冬に見かけた虫たち その2 と旬の梅

先日に引き続き、冬に見かけた虫たちの紹介です。

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1円玉くらいの大きさがある
越冬中のはずのカメノコテントウが、パークセンター内で見つかりました。今の寒い時期に活動していて大丈夫なのでしょうか。思わぬ遭遇でした。

カメノコテントウは、日本のテントウムシの中でも最大種で、1cm以上の大きさがあります。見た目はテントウムシですが、大きさから本当にテントウムシなのかと疑いたくなります。しかし、つやのあるオレンジの光沢がとても綺麗でかわいいですね。

風の丘付近では、紅梅が咲いています。

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色の無い公園を彩る赤
冬は自然の中に色がないので、紅梅のように色鮮やかな花はとても目立ちますね。もう少し咲いた花の数が増えてくると、梅の花の蜜を食べにヒヨドリメジロなどの鳥がやってくると思います。

ふれあい広場のほうでは白梅が咲いていますが、1つ面白い知識を発見しました。白梅と紅梅は花の色だけでなく、内部の木の幹の色も違うそうです。具体的には紅梅は内部が赤みを帯び、白梅は白みを帯びるとか... 花が咲かなくとも梅の色を判断することができるんですね。

冬に見かけた虫たち その1

寒い季節の中でも、公園を歩いていると生き物に遭遇することがあります。夏や秋に比べてしまうと数はとても少なくなってしまいますが、逆に今の季節だからこそ会うことのできる虫がいたりもするのです。

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冬に現れる蛾 フユシャク
あいかわ公園でのフユシャクの仲間は、パークセンターの壁に張り付いているところを見かけることが多いです。
見つけたい場合には人工物の壁や園内の木をじっくり見てみると、壁の模様に似せて張り付いているフユシャクに出会えるかもしれません。

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クサカゲロウの仲間 ヨツボシクサカゲロウでしょうか
暖かい日向では、クサカゲロウの仲間が休んでいるのを見かけました。太陽の光に当たっていると輝いているように見える繊細な虫ですね。

クサカゲロウは2~3cm位の虫で、街灯などの明かりに寄ってきているときに見かけることが多いです。マンションにお住まいの方などは見かけたことも多いのではないでしょうか?おとなしい虫なので、もし見かけたら手にのせてあげると、よりかわいく思えてきますよ。

暖かくなるとともに虫たちの数も増えてきています。見かけた虫を皆様にどんどん紹介していこうと思います。