あいかわ公園自然観察ガイド

嫌われがちな毛虫から大人気のクワガタたち、更には季節の植物まで。たくさんのあいかわ公園の自然を紹介していきます。ネタを見つけたら更新中。画像の無断転載は禁止です。

大きな木を見つけたらじっくり見てみよう

寒さの中を耐え忍ぶ木々たちは、その場所に何年も何十年も根付いて過ごしているものがいます。

大きな木になればなるほど幹は太くなりますがそれとともにその木には木以外にもいろいろな繋がりが見られるかもしれません。
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今回見ていくのはそれほど大木なわけではないのですが大きなイヌシデです。最近虫こぶを紹介しましたね。

このようにつる性の植物が張り付いている木と言うのは植物が好きな人であれば双眼鏡を持って隅々まで見てしまいます。歴史があればあるほど珍しい植物が付いている可能性があるのです。

今回はそこら中に見られるキヅタと言う植物が立派に張り付いていました。
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張り付く植物の中にはツタウルシと言う触れるとかぶれる植物があるのでむやみに触れるのはお勧めしません。キヅタは面白い張り付き方をして木を登っていきます。

一般的なフジなどのつる植物がどのように上っていくかご存じでしょうか?彼らは木をぐるぐると巻くようにして上っていきます。
一方でキヅタはと言うと
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写真のように太めの根とそこから出るムカデのような細い根で張り付くようにして上っていきます。

結構とげとげしており、これくらいのサイズになると引っ張ったくらいではびくともしないくらいの頑丈さがあります。条件が良ければこういったスポット上の所などは水気が多くなりやすいので苔が生えてそこに珍しい植物なんかが付くこともありますね。

木の裏側を見てみるとこれまたあいかわ公園ではここでしか見たことのない植物がありました。
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この厚みのある葉はネズミモチですね。この仲間は雑木林的な場所であれば普通に見られるのですがなぜかあいかわ公園では見かけません。

似た種類にトウネズミモチがあり、そちらも普通に見られるものなのですがありませんね。
似た2種類ですが太陽の光に透かしてみると違いが分かります。
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ネズミモチは葉が厚いので全然透けません。一方で葉の薄いトウネズミモチは葉の脈がスケスケになってしまいます。些細な違いですね。

大木のある場所では幹は長い年月によって張り付く植物のいい過ごし場所になっていたりするのでいい木を見つけたら要チェックですね。


記事下のカテゴリーから、人気の蝶と甲虫をカテゴリー分けしました。虫情報の利用にご活用ください。 各テーマごとにカテゴライズされているので以前より見やすくなりました。

ヤマビルに要注意!(虫取り前に読むことを推奨)

あいかわ公園で楽しく虫取りをしていくにあたって気をつけるべきポイントを紹介していきます。 

丹沢は吸血ヒルの宝庫
園内で虫取りをする際に気をつけなければならないことは、園路から外れた場所に入らないということです。皆様のお住いのエリアの多くには恐らくヤマビルと言う生き物はいないと思います。そのため、虫取りをしたり、少し園路から外れた方が毎年このヤマビルと言う生き物の被害にあいます。
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ヤマビル
活動時期3月~11月
足元から気配もなく忍び寄り、哺乳類の血を吸う。

活動時期に園内の土の上を歩く際にはこの生物の存在を絶対に忘れてはいけません。


どんなところにいるの?
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1、雨上がりのコンクリート以外の場所 100%います。


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2、直射日光が当たらず、枯葉や枝がたまった場所 ほぼ必ずいます。

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3、触ると少し湿る程度の土の上   だいたいいます。


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4、カラカラに乾燥した地面 いない

夏の場合夕立などで地面が湿ることが多いので、園路外のほとんどの場所でヤマビルが出ます。

対策
専用の忌避剤を使う(推奨)

彼らは歩いた時に出る振動や二酸化炭素を感知して足元から登ってきます。足にしっかりとした対策をすることが効果的です。
ヤマビルファイターなどのヤマビルにとても効果のある薬を靴に使うことをお勧めします。塩水程度では効果が薄いです。筆者のおすすめはヤマビルファイターかヒル下がりのジョニーですね。使うだけで快適感が全然違うので、使用をお勧めします。ちなみに自然大好きな筆者ですが、スプレーなしでは園路外には入りません。しっかりと対策して嫌な気持ちのない虫取りにしましょう。

長い靴下にズボンを入れる(推奨)
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靴下付近にもスプレーをかけておくとさらに安心できます。ヤマビルは網目の荒い靴下であればその上からでも吸血します。スプレーなしでは靴への侵入を許してしまいますが、上に登るヤマビルに対してはかなりの効果が期待できます。靴下とズボンに隙間があると、ズボンの下に入られてしまうので、気が付かないうちにスネや太もも、二の腕やお腹などを吸血されます。彼らは1mを1分ほどで登るため、この対策をしていないと知らずのうちに数十匹のヒルに血を吸われて服やズボンが真っ赤に染まる状況になることもあります。

長そで長ズボン(推奨)
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肌を出すのは控えましょう。先ほどの靴下にズボンを入れる対策と組み合わせることで、仮に登ってきたヤマビルがいたとしても発見できます。

吸血されてしまったら?
まずは落ち着きましょう。ヤマビルが原因で病気になることはありません。
なめくじと同じく塩を含む成分をかけることで剥がすことができます。
そういったアイテムがない場合は、多少力が必要ですが引っ張って剥がすこともできます。マダニと違って歯が残ったりしないので安心してください。

剥がしたヒルは産卵するため、石などで殺すようにしてください。
放っておくと他の人に被害が出てしまいます。(別の場所で、登山後に駅にヤマビルを落としていった事例などがあります。)

ヒルに吸われると、血が止まらなくなります。これはヒルジンという血液を緩くする成分が注入されるためです。なので水で流しながら傷口から成分を絞り出すイメージで洗い流しましょう。

是非上記のポイントを確認して虫取りを楽しんでください。虫が取れても血まみれでは最悪の気分になってしまいますからね。

爆発した冬芽 アカシデメムレマツカサフシ

冬になるとスカスカになった木々の間からやたらと目立つ物体が見られるようになります。

あいかわ公園などの植樹された環境で良く植えられるシデの仲間には今の季節になると面白いふくらみが見られるのです。
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こちらの可愛い冬芽は少し赤みを帯びています。アカシデと言う木ですね。あいかわ公園では珍しいようで、今のところ工芸工房村付近の一本しか見つけられていません。

写真は普通の冬芽なのですがこれを利用するダニの仲間がいます。彼らが入るとこの冬芽はどのようになってしまうのでしょうか?
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驚いたことに弾けた花火のような姿になってしまっています。このイガイガを見つけることができればそれはアカシデメムレマツカサフシと言う虫こぶになります。

ダニの仲間がこの芽の中に侵入することでおかしな形になってしまうのです。冬にはこのように芽を利用するダニ、ハチの仲間によって変わり果てた芽を見ることができます。(虫こぶをゴールと呼ぶ)

中でも見えやすいのが同じシデの仲間のイヌシデと甲虫の木のクヌギですね。花の斜面入ってすぐや南駐車場から見れるイヌシデの木にはイヌシデメフクレフシと言う虫こぶが多数できています。

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左が同じくフシダニの仲間の1種に侵入された芽です。こちらはウチワのような姿をしています。

虫こぶの名付けは非常にシンプルで、ほとんどが見た目のそのままを名付けたものになります。
イヌシデメフクレフシは、イヌシデの芽を膨れさせた枝(ふし)と言ったニュアンスですね。

冬の間は樹木を特定するのが難しくなりますが、逆にこのような虫こぶを利用することで種類を絞りやすくなります。

今は冬芽くらいしか虫こぶは見られませんが、葉の茂る時期であれば葉に寄生した虫こぶも見ることができるので探してみてくださいね。

ブログデザインを大幅に変更しました。 スクロールすることで月別の記事やカテゴリー別に記事を読むことができます。

また、あいかわ公園のツツジ図鑑と山野草図鑑にも気軽にアクセスできるようになりました。月ごとに見られるあいかわ公園の自然情報が詰まっているので是非ご利用ください。

カミキリムシの痕跡を紹介

パークセンターの虫コーナーとリンクした記事です。
夏の甲虫たちの中で、意外と人気の高い種類が今回のテーマであるカミキリムシです。ここではパークセンター虫コーナーに張ってあるカミキリを中心にカミキリムシの事を知ってみましょう。
カミキリムシは特定の植物に寄生して幼虫時代を過ごします。なのでその植物の事を知っているかが捕まえる上で重要になってきます。


ゴマダラカミキリ

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カミキリムシの中でもかなり多くの植物を食べる種類です。園内ではドウダンツツジでの食害が目立ちます。黒い体に青っぽい点が付く点から、見分けるのも簡単な種類です。捕まえやすいのでお勧め。
パークセンターと駐車場をつなぐ通路や、ふれあい広場の端にあるドウダンツツジでは、彼らの痕跡を見ることができます。見てみましょう。
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ツツジの根元付近に小さな穴とこのような木クズが出ているものがカミキリムシ類の食害です。中に入った幼虫が木を食い荒らしています。f:id:aikawa_park:20210223095532j:plain
カミキリが好きな木には、穴が開いた跡もあります。中で育った幼虫が大人になった際に内側から食い破って出た跡です。カミキリのサイズによってこの穴の大きさは違うので比較してみるといいでしょう。


クワカミキリ
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かなり大型のカミキリムシです。木の皮のような色合いをしています。園内ではあまり見つかりませんが、食草にカミキリ類の痕跡が見られています。
パークセンター前のケヤキやクワを確認してみましょう。
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大きな木がケヤキです。ここの木に近づいて幹をよく見てみましょう。
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木から木クズが出ています。クワカミキリの物かどうかは分かりませんが、対象の木にある痕跡なので覚えておいて損はないかと思います。
クワと名前に付くようにクワが好きなのですが、園内にはクワの木があまりないためなかなか見つかりません。

ベニカミキリ
f:id:aikawa_park:20210223100859j:plain上の二匹と比べるとかなり小型のカミキリムシで、大人の小指の第一関節位の大きさです。このカミキリの食草はかなりユニークで、を食べます。
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パークセンターの前や冒険の森横には竹がたくさん植えてある場所があるので、そこに行くと飛んでいる小さな赤い虫を見つけられるのではないかと思います。竹の廃材などでも発生するので、園内の竹柵から出てくるかもしれませんね。

キボシカミキリ
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園内ではあまり見られないクワの木を食害します。イチジクなどの木に入るため、街中で見かけることもある種類です。
大きさとしてはゴマダラカミキリより大きく、クワカミキリより小さい所です。
園内ではクワの木があまりありません。唯一捕まえられたのがパークセンター前の記念木として植えられているクワです。
もしかするといるかもしれません。

カミキリの仲間には顎が前に出るものと、下を向くものがいます。横から見ると分かりやすいのですが、下を向く顎は木をかじることに優れています。
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(写真は顎が下を向くクワカミキリ。キボシカミキリも下を向くタイプ。)

ミヤマカミキリ
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後に出てくるシロスジカミキリとともに最大クラスのカミキリムシです。圧倒的な大きさからくる迫力は他のカミキリでは味わえないでしょう。この子は顎が前に出るタイプです。
夜間に樹液を回っていると見つけやすい種類なのですが、あいかわ公園では数が少ないようで意外と見つかりません。
食草はクヌギやコナラ、クリなどのドングリ系を好みます。
しかし、園内のクヌギコナラに成虫の出た跡がないことから、発生している可能性は低そうです。
痕跡のようなものがある花の斜面にあるクリの木を探すか

外灯に来ていることを祈ってパークセンターや工芸工房村の外灯付近を探してみるといいかもしれません。

カミキリの仲間は黒い大きな複眼と呼ばれる眼を持ちます。ミヤマカミキリの物はかなり特殊な形をしており、三日月のような半円を描きます。
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(大きな触角の付け根にある太い眉毛のようなものが眼です。


シロスジカミキリ
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ミヤマカミキリと並ぶ巨大種です。あまりの大きさに虫が苦手な子が逃げ出すほどです。
シロスジカミキリは甲虫採取をするうえで欠かせない存在です。 彼らがアラカシやコナラに食害する痕からは樹液が出るため、しっかり覚えておきましょう。
そのほかの食草としてはまずはアラカシです。
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石小屋ダム方面に行くと濃い緑色の木がたくさん生えています。ギザギザの目立つ葉が特徴なのがアラカシと言う木です。薄暗い場所に生えることが多いため、ヤマビルに十分気をつけましょう。 
対策はこちら↓
aikawa-park.hatenablog.com

f:id:aikawa_park:20210223164535j:plain彼らが直接の原因かは分かりませんが、シロスジカミキリが食害する木にはいい雰囲気の場所があることが多いです。
シロスジカミキリと樹液の関係についてはこちらをどうぞ
aikawa-park.hatenablog.com


ウスバカミキリ
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最大の特徴はけんかっ早い所です。体に触れようとした瞬間に驚きのスピードで噛みつきにかかるため、扱いには注意が必要です。
ミヤマカミキリと同じく顎が前に出るタイプなのですが、すぐ相手に噛みつけるというメリットがあります。
この傾向から、足や触角がなくなっていることも多い種類です。

生きている木から枯れ木まで幅広い木の中で成長できるカミキリムシです。

園内で見つける場合は夜明けの街灯など、手段が限られているので見つけられたらラッキーだと思いましょう。ミヤマカミキリよりは見つかる印象があります。

パークセンターのカミキリムシは、個人的な難易度としてラミー>ベニ>ゴマダラ>>>シロスジ>ウスバ>>>キボシ=クワ=ミヤマ の順で、右に行くほど捕まえにくい印象です。

草原のシジミチョウを探そう!

パークセンターの虫コーナーとリンクした記事です。
ここでは、虫コーナーのシジミチョウを捕まえたい方向けに捕まえるコツやエリアなどをお伝えしていきます。季節に気を付けて探しましょう。

草原に生息する蝶たち

ヤマトシジミ
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最も普通に見られるシジミチョウです。簡単な見分け方は目が灰色をしている所です。翅の裏側はとても地味ですが表側はとても綺麗な空色をしています。
食草はカタバミと言う植物で、コンクリートの隙間などでも生息できる植物のため、市街地などでも見かける機会が多いです。
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3月~10月であれば日当たりのいい所を探せば5枚の黄色い花びらを持つカタバミを見つけられると思います。
確実に捕まえたい場合は石小屋ダム方面の斜面を見てみるといます。 園内で確実に捕まえられる蝶なので、虫取りを始めたばかりの方におすすめ!


ツバメシジミ
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比較的よく見かけるシジミチョウで、食草が分かれば捕まえやすい種類です。ヤマトシジミに見た目はそっくりですが、目が黒く、翅のお尻側にオレンジ色の模様が入る点で見分けられます。よく見ると黒点の模様も違ったりします。
食草はマメ科です。花の形を覚えて探してみましょう。

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ツバメシジミはシロツメクサ(クローバー)などの花にやってきます。ツバメシジミを探すのであれば、この小さな花が集合した円形の花の形を覚えておきましょう。他のシジミチョウもやってくるため、効率が上がります。
探すのであれば石小屋ダムの水を落とす付近に芝生があるのでそこがおススメです。


ベニシジミ
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比較的よく見かけるシジミチョウで、たいてい見つかります。美しいオレンジ色の粉をまぶしたような見た目で、似た種類もいないため簡単に見分けることができます。
食草はスイバやギシギシです。葉の形がかなり分かりやすいので写真を見ながら見比べてみましょう。
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スイバが所属するタデ科の花はかなり特徴的で、上にニョキニョキと伸びて雲のようにモクモクした印象になります。
園内の日当たりのいい場所ではよく見られる植物です。葉でも覚えておきましょう。
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アイスのように持ち手があり、葉っぱが先端は丸く付け根は矢じりのようになります。(Σ シグマの記号のようになります)
探すのであれば石小屋ダムの方面でツバメシジミやヤマトシジミと同じ場所を探してみることをお勧めします。


ウラギンシジミ
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シジミチョウの仲間で最大サイズの種類です。ヤマトやツバメと比べると食草が山の方に生えるため、見られる環境が違います。
ウラギンの名前の通り裏翅が銀色をしており、♂は表がオレンジ色、♀は裏が真っ黒になっています。
食草はクズで、葛粉でおなじみの植物です。

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クズはつる性の植物で、大きな3枚の葉っぱからなります。他の植物に巻き付く性質上、河原や低木の多い環境によく見られます。
園内ではふれあい広場の奥、工芸工房村から森のわたり橋にかけてのスロープ、石小屋ダムの方面でたくさん見られ、大抵そこに行けば見られます。
飛ぶスピードが速いため、捕まえるには根気が必要です。


ウラナミシジミ

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あいかわ公園では秋ごろに見られ始めるシジミチョウで、裏翅に波のような模様があります。暖かい西側から段々北上してくるという少し変わった分布をしています。
翅のお尻側には針のような突起が二つ付いています。
食草はクズで、ウラギンシジミと一緒です。

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捕まえるのは秋からになりますが、この時期は花も減り気味です。
パークセンター前の花壇を中心に探すと良く見つかります。
石小屋ダムにあるナワシログミは、秋に蝶を探すには最高の場所です。
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ルリシジミ
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春先の3月頃から見られる種類で、ツツジやミツマタなど幅広いお花で見ることができます。翅を閉じているときの見た目は白に近く、ヤマトなどと比べると大きいため目立ちます。翅の裏側は鮮やかな空色で思わず見入ってしまうような美しさがあります。ヤマトシジミと迷ったときには目の色を見ましょう。黒ければルリシジミです。
食草は幅広いので絞り込めませんが、有名なものとしてはフジが挙げられます。
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フジは山側に生える植物のため、ルリシジミもどちらかと言うと山側で見やすい種類になります。
園内で探す場合はとにかく花を探してみるといいでしょう。
3月であればミツマタやキブシ(春、黄色の花)
4,5月ならツツジもおススメですし、上の蝶たちと同じように石小屋ダム方面の芝生で咲く花もおススメです。ハルジオンやヒメジョン(春、白色の花)もいいですね。
蝶を探していれば自然と見つかることが多い種類なので、並行して探すのがおススメ!

木の上にいるシジミチョウを探すには

パークセンターの虫コーナーで木のマークの付いた蝶を探したい方はこちらの記事を参考に虫取りに挑戦してみてください。

宝石のようなシジミチョウの仲間たち
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木の上で翅を広げ、テリトリーを張る習性を持つ少し変わったシジミチョウがいます。彼らはその習性から見るべきポイントを見定めないとなかなか捕まえられません。 まずはパークセンターの虫コーナーで木のマークのついている蝶を探してみましょう。そして捕まえてみたい蝶の探し方をご覧ください。

ムラサキシジミ
アメジストのような濃い紫の輝きを持つムラサキシジミは、宝石のような羽を持つ仲間の中ではかなり見つけやすい方です。
捕まえるための秘訣は幼虫が食べる木を知っているかどうかが重要になります。
ムラサキシジミの食草「アラカシ」とは?
アラカシはカブトムシの木で有名なクヌギやコナラと同じドングリをつける仲間です。
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ドングリの帽子に横の線が入ることが特徴なので、ドングリの帽子を探してみるのも1つの手段です。
しかし、アラカシは葉もわかりやすいので葉で見分けるのをお勧めします。
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写真で見てもわかる通り、革のようなツヤがあります。そして葉の端を見てみると魚の背びれのような大きめのトゲが付いています。この2点で見分けられるのですが、恐らく写真では難しいのが現実ですね。 パークセンターでこの記事を読んでいる方はあいちゃん号乗り場の方の入口から風の丘の方を見てください。数10mはありそうな濃い緑の木が目に入ると思います。それがアラカシなので、この木の下(木造デッキ)まで行ってみてみましょう!

アラカシを見つけたらどうするの?
彼らは木の周りを飛ぶことが多いです。なのでそれを待ちます。 虫を捕まえるためには姿を知っておく必要があります。恐らく
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この姿か
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この姿で見かけることになるでしょう。 いない場合網で枝をつついたりするのもおススメです。 ムラサキシジミはこの記事の他の宝石たちと比べると色々な場所で見つかりますので、ぜひ挑戦してみてくださいね。 探すなら石小屋ダム方面がおススメです。





オオミドリシジミ

アカシジミ

ウラゴマダラシジミ

ミズイロオナガシジミ

真冬には逆立ちしたドングリが見られます。

夏の終わりごろから秋にかけて子供たちに大人気のドングリですが、落ちた時にばかり注目してはいませんか? 拾ったドングリを保存して、中から虫が出たり、割れてしまったり色々な発見もあると思います。しかし自然の中だからこそ見つけられる不思議もあります。今一度ドングリを拾った場所を訪れてみましょう。
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私もコナラのドングリを発見しました。少し割れてしまっていますが他にも何か気になるところがありますね。赤い導線のようなものが出ています。これこそ今見ることができるドングリの根です。ドングリは先端の丸い所からパカッと割れてそこからまず根を出します。これは地面に潜りしっかりと張り付きます。その証拠に引っ張ってみるとびよーんと伸びます。
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こんな感じです。思ったよりも伸びています。大抵真下に伸びる印象なのですが、何かの出来事で転んでしまったのでしょうか。ちなみにすごい時はドングリが逆立ちします。場所によっては辺り一面でこの根を地面に指しているのに出くわすこともあり、何かすごい場面に遭遇したかのような気分を味わうことができます。
ドングリは種ですから割った時のあの美味しそうなナッツ部分の栄養をもとにして、子供たちが大好きな大きなクヌギやコナラの木を目指すのです。数十年にわたる植物ライフの始まりですね。
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ドングリの芽生えは根を下ろした部分とは逆の上向きに始まります。つまりドングリと根と芽がアルファベットのTを横向きにしたような感じで芽生えます。Iの上が芽、下が根で、ーがドングリです。lー
私自身冬場の根を下ろしたドングリにはたくさん出会っているのですが、ここから芽をはやしたドングリには実はであったことがありません。たぶん興味が薄かったので、探していなかったのだと思います。
意識していないとなかなか気づけませんが、植物は地道に変化をしていますので、今年ドングリを拾った方は今の季節の姿も探してあげてくださいね。