あいかわ公園自然観察ガイド

嫌われがちな毛虫から大人気のクワガタたち、更には季節の植物まで。たくさんのあいかわ公園の自然を紹介していきます。ネタを見つけたら更新中。画像の無断転載は禁止です。

林床に咲く可憐な花 ヒトリシズカ

春になるとヤマビルが出るあいかわ公園ですが、ここは人工的な公園とは思えないくらいたくさんの自然が残されています。先日も歩いているととある春の人気植物を発見しました。
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それが名前は聞いたことがあるであろうこのお花、ヒトリシズカです。
林床に名前のごとくひっそりと咲くこのヒトリシズカは、背も低く見た目の派手さもないため普通に歩いていては絶対に見逃してしまうお花です。
自然の中にはこのように人間に気づかれずにひっそりと美しい花を咲かせている子達も多いのです。
ヒトリシズカはとても面白い特徴を持ちます。葉の形を見てみてください。4枚の葉が同じ高さで上下左右とまるで輪を描くように出ていますね。このような葉の出方を見た目に例えて輪生(りんせい)と呼びます。

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ヒトリシズカの花にも注目してみましょう。この植物のお花はいくつついてるのでしょうか? 見た目は1つのお花に見えますね。ところが実際は花のように見えるおしべとめしべなのです。f:id:aikawa_park:20200411154554j:plainおしべは3本1セットで、内2本の付け根に花粉が付いています。その様子が見えるでしょうか?
この植物はつまり花が無く、直接柄の部分におしべとめしべをつけ、それが花のように見えている不思議な植物なわけです。

場所は変わりますが春に白い花を咲かせるミドリハコベたちの仲間の外国人を発見しました。

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間近で見れば大きさが圧倒的に違うのですが、写真では伝わりません。ここでは身近な植物の間違い探しをしてみましょう。上の写真には違う点があります。これがハコベの仲間の日本人と外国人を見分けるポイントなのですが分かるでしょうか? ヒントは 花の中央です。
めしべの先が分裂するのですが、これが3つに分かれていれば日本人で5本に分かれていれば外国人です。同じように見えたお花が全く違うものに見えてきませんか? このように植物の特徴にしっかり注目して見分けられるようになると自然観察が一気に面白くなります。
毎日更新しているこのブログでその視点を1つでも知っていただけると大変うれしく思います。