以前に花のように見えるようで実は花ではない部分を紹介しました。それに続いて本日も花のように見える不思議な構造をお伝えします。
アヤメという観賞用として大変人気の高い植物があります。そちらを例にとってみましょう。
こちらがアヤメ科のシャガと呼ばれる植物です。多くの公園や畑、園芸用で見ることができ、少し湿り気の有るところに植えてあります。
花弁が6枚あるように見えますね。実はこのアヤメの仲間は花弁3枚ガク3枚からなる植物なのです。ではガクはいったいどこにあるのでしょうか?
以前のハナミズキは裏側を確認しましたね。裏を見てみましょう。多くの場合ガクは花弁の裏側に緑色の形で花弁を包み込む支えとしてあります。
裏にしてみました!。茎にくっついている以外ガクと思えるような場所がありません!実はこのアヤメの仲間はガクが花びらのように進化して花びらと同じような姿かたちになってしまっている花なのです!
写真上を時計の針に当てはめると花に模様が見える10時、2時、6時の3枚と模様なしの8時、12時、16時これが3枚づつセットになっています。
写真ではわかりにくいですが、模様の無い花びらが模様のあるほうより内側にあります。つまり植物学上花びらと呼ぶのはどちらでしょうか?
内側の模様の無い方が花びらですね! 一応花びらとガクで分かれていますが、いま見た通り非常にややこしいです。ですのでこのような花びらとガクに形の差がない花を同花被花(どうかひか)と呼びます。
ではこの黄色い模様はいったい何の役割だったでしょうか?ツツジの記事で実はこれも登場しましたね。
ネクターガイドと呼ばれ、虫たちに蜜のありかを教える役割を持っています。
これは多くの花に見られるので花びらにこの模様を見つけたら虫たちへのアピールなんだと思ってみてくださいね!