あいかわ公園のふれあい広場の木をよく見ていくと、運が良ければ大きな緑色の綺麗な幼虫に遭遇することがあります。
このように大きいものだと5~6cm位はある巨大なイモムシです。
この子は日本一大きな蛾たちが所属するヤママユガの仲間のウスタビガという蛾の幼虫なのですが、今の季節に明るい色で木の幹を歩いています。
よく見てみると体の表面になにやら黒いぶつぶつのようなものが付いていますね。これはいったい何でしょうか?病気?ケガでしょうか?
模様にしては異物感がありますね。
実はこれは自然界の厳しさを表しています。
なんと寄生バチの仲間が幼虫の体内を食べ荒らして出て行った後なのです。
ふれあい広場の木をよく見てみると、細長い針を持ったハチが飛んでいることがあるのですが、これらの仲間だと思われます。
恐らくコマユバチと思われるその仲間は、幼虫に長い針を突き刺して体内に卵を産み、お腹の中で孵ったコマユバチの幼虫はウスタビガのお肉を食べて成長するのです。
そして栄養を得た後にその体を出て蛹となりハチになります。自分の体で考えるととてつもなく恐ろしい話ですよね。
私は5匹ウスタビガの幼虫を見つけたのですが そのうち4匹がこのようにやられていました。
この状態になると成虫になれる可能性は低くなってしまうようなので少し残念です。しかしコマユバチも生きるための戦略なので自然と言うのは面白いなと思います。
ウスタビガの幼虫は結構かわいいのです。
前の写真だと顔が見えませんね。
このような愛嬌のある顔をしています。顔の後ろには二つの突起が山のようについていますがこのポイントがウスタビガの幼虫の分かりやすい所です。
このように大きな蛾の幼虫は足の形が違います。体を支える吸盤のような足と葉っぱをつかむ細長い足があります。見てみましょう。
後ろ側の吸盤の足でしっかりと張り付いているのが分かります。このウスタビガは毒もなく、見た目もとげとげしていないので安心感を持って触れると思いますよ(笑)
自然観察ガイドのイベントでも紹介していますが、触ってみると愛着がわく子は多いですね。実際に触れてみると外はハードで中はソフトなグミを触ったような質感でぷにぷにしたくなりますよ。 そんなことをしていると頭を振って攻撃してくるのですが(笑)
自然の生き物のためで会えるかどうかは運なのですが、記事を読んで興味の湧いた方はぜひあいかわ公園の自然観察ガイドでウスタビガの幼虫を探して手にのせることに挑戦してみてはいかがでしょうか?
ウスタビガに興味の湧いた方は冬に現れる成虫の姿も見てみてはいかがでしょうか?12月頭に現れる変わった蛾なんですよ。
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