夏になると黄色い大きな蛾に遭遇することがあります。
ヤママユガと言う蛾の仲間を皆様はご存じでしょうか? 蛾と聞いただけで渋い顔をしてしまう方は少なくありません。
蛾と言えば「毒がある」、 「光に集まっていてなんか気持ち悪い」。「こっちに突撃してきて怖い」などなど様々なよくない印象がありますよね。
そんな皆様に今日紹介するのはなんと大人の手の縦幅位の大きさがあるヤママユガです! 外で見かけた時、そのあまりの大きさに2度見してしまいました。
黄色が映える青いシャツをたまたま着ていたため、ヤママユの色がとても引き立っていますね。
この蛾は狙って探すとなかなか出会うことのできない仲間です。
大型の蛾はたいていこのヤママユガを中心としたグループに所属しています。主にライトトラップなどを利用しないと捕まえにくい虫ですね。
あいかわ公園の冬場には木々に繭が見られたので、いつかは会えるかと思っていたのですがラッキーでした。
大きさを比較してみましょう。ものさしは私の手です。
私の手と比較してみてもかなりの大きさであることが分かります。
このサイズを後ほど測定してみたのですが、なんと14cmもありました。
14cmの蛾をイメージしてみてください!
遠くから見ても容易に見つけられるような大きさであることが想像できますね!そしてこの大きさから迫力があります。なにより体重が蛾の物ではありません!
前の画像などで見られる触角がかなり細長いのでメスだと思われます。(♂の触覚は大きい)
この仲間は触角が特徴的で、♀は細く♂は櫛のようになっています。
(参考までにヤママユの仲間のウスタビガの♂の触覚)
きっと卵をたくさんお腹の中に抱えているのでこのように非常に大きな体をしているのでしょう。重すぎて自分の体をはばたいて持ち上げられないようでした。飛ぶときは地面を走っているかのような姿で、ぱっと見は飛んでいるとは言えないような気がします。そんな姿がまたいいですね。
このヤママユの仲間を見るうえで羽の模様は欠かせません。
眼状紋(がんじょうもん)と呼ばれるこの目のような模様は、普段は外側の目玉模様のみが見えています。
つまり両端合わせて2枚の目玉模様に見えるわけですね。
そして敵が触れたりすると羽の下に隠していたもう1対の目玉模様を羽を広げて出すのです!スッと羽を広げて威嚇する様はなかなかに凛々しいですよ。
これだけ大きいのではばたきの力もかなり強いです。ヤママユガは威嚇のためか体温をあげるためか結構な頻度で羽をはばたかせながら歩きます。その時に涼しいと感じられるぐらいの風が発生します。
模様の配色も非常に美しいです。
見方によっては油絵のように見えなくもありませんね。
黒白赤茶色のラインが走っているのですが、黒色の線が影のように見えてなにやら立体的に見えます。この仲間はとにかく実物の色合いが綺麗な種類なので実際に見つけて欲しいですね。
ただし成虫になってから何も食べずに過ごすため、出会える可能性はなかなか低いです。寿命が1週間ない位のはかない命なんです。
蛾の仲間はじっくり見る機会がないため顔を見たことがある方は少ないかと思います。
実際には写真のようにぬいぐるみのようなもふもふした雰囲気をしています。触れてみるとかなりふわふわでついつい触ったりなでてみたくなったりしてしまいたくなりますね。
灰色の部分も黄土色の部分も全てふわふわです。
なんだかかわいく見えてきませんか? そして意外とこの体重を支えるだけの足をしているので爪がちくちくとします。よく見てみると足の先にかぎ状の爪があるのが見えますよ。皮膚の薄い所では結構痛いです。
可愛い要素が盛りだくさんのヤママユガと遊んでいるととても愛着がわいてしまい逃がしたくなくなってしまいました。
しかし彼らの寿命はとても短いので惜しみながらも逃がしてあげました。ぜひこれからも自然に負けずに生きて行って欲しいですね。
ヤママユガの仲間に興味のある方は園内で見られるこの子達の記事もおススメです↓
aikawa-park.hatenablog.com
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やはりどことなく似ていますね。
aikawa-park.hatenablog.com
大型の蛾は9月、10月、11月、12月上旬まで入れ替わりで発生するので探してみてください。