あいかわ公園自然観察ガイド

嫌われがちな毛虫から大人気のクワガタたち、更には季節の植物まで。たくさんのあいかわ公園の自然を紹介していきます。隔日朝8時に更新中

真夏の大きな白いユリ タカサゴユリとテッポウユリは紫色の線が重要!

外を散歩していると色々な花が目に入る夏ですが、特に目を引くお花があります。真っ白で非常に綺麗な花でありながらとても大きな花びらを持つユリの仲間です。特に今日紹介するユリはその辺に生えている雑草と比較してもかなりの大きさの花を持ちます。
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横から見ると演奏に使われる楽器のラッパのように見えます。見ての通り茎から横にグイっと伸びてから花弁が開いています。
この姿をしたユリの仲間では、園芸用のテッポウユリとタカサゴユリがよく見られます。見分け方はこの横に伸びているラッパの棒状の部分に赤紫色の線が入るかどうかで分かります。写真の物は線が入っているのでタカサゴユリですね! テッポウユリは真っ白です。
タカサゴユリは日本にはいない植物なのですが、園芸用観賞用として持ち込まれたものが野生化したパターンです。植物の世界ではよくある話ですね。
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ユリの仲間でやはり一番目につくのはその花びらです。写真の中には白い花びらが3枚と白いガクが3枚あります。よく見てみると同じに見える花びらでも内側にある3枚と外側にある3枚に分かれています。ちょうど花粉が落ちている場所が内側の花びらですね。
ユリの仲間は花びらとガクが同じ性質を持つ変わった花なのです。他の例としてはアヤメ科のシャガなどが挙げられます。少し見てみましょう。
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同じパターンを持つシャガです。どこかで見たことがある方も多い花だと思いますがこれもよく見てみると内側3枚と外側3枚の花弁を持ちます。


ユリ科の花で目立つ場所はもう1つありますね。先ほどの花粉が鮮やかに見えたと思いますがこの花粉をつける葯(やく(花粉を貯める袋))が大きいこともユリの仲間の特徴です。なのでユリの仲間が生えていると独特な香りが周囲を漂っていることが多いです。
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ゆすっただけでもかなりの花粉が落ちます。蜜を食べにやってきた虫たちは粉まみれになってしまいそうですね。花としてはこの花粉を虫につけたいので花を広げて入口を大きくみせ、奥に続く道を狭くすることで花粉を虫の体に当てるのでしょう。そのためかこのタカサゴユリの葯は全方位に向けて花粉が付いていますね。
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このように見てみると奥の蜜を食べに行く際に花粉を避けて入っていくことが難しいのがイメージできると思います。 ユリの仲間はこのような大きな花で振動を感知しやすいので葯も振動を感知しやすい形になっています。漢字の丁の字に似ているのですが、これは片足立ちをしてみるとイメージが伝わりやすいですかね。片足立ちしているときに軽く押されてみてください。すると振動がよく伝わります。植物の花の形とそれに合わせた戦略をじっくり観察できるのがこのタカサゴユリなので、外で見かけた時にはじっくり観察してみてくださいね。