夏終わりのあいかわ公園のふれあい広場を散策した方は、不自然な光景に違和感を覚えたでしょうか?
ふれあい広場の地面の上に、葉っぱではなく葉が付いた枝が丸ごと落ちているのです。
たまたまこれが1つ落ちているなら全く自然なことなのですが、この枝がいくつも落ちています。
クヌギやコナラの木は確かに冬に向けて葉を落とすのですが枝ごと落とすのはおかしいですよね。
この枝をさらに調べてみるともう1つ変わったポイントを発見できます。この枝にはドングリが付いているのです。
抜け落ちているものを除けばほぼすべてにドングリが付いています。
丁度このような雰囲気ですね。
すべての枝が葉とドングリ、そしてこれくらいの長さで枝が切り落とされているようです。
鋭い人ならばここでピンっ!とくるかもしれませんね。
この謎を解くカギはこのドングリにあります。
ドングリは茶色になると大変固いのですが、写真のように青いものであれば柔らかさがあります。
皆様もこのように落ちている枝を見つけたらドングリをよくチェックしてみましょう。
私もこの殻をむいてみました。
すると恐らくドングリにこのように丸い穴があけられた跡を見ることができると思います。
これこそ枝を切り落とした犯人、ハイイロチョッキリの仕業です!(成虫にはあえていません)
成虫の姿はゾウムシのように口が長いのですが、このチョッキリはドングリの固い殻の部分を食い破ってから青いドングリに産卵します。
なのでよく見ると殻の部分にも穴が開いているのです。探してみてくださいね。
なぜわざわざそんな手間をかけて産卵するのかと言えば、卵をより安全に守るためです。
例えばドングリを外側から掘り進めた場合産卵した卵は外が開いているので乾燥してしまいます。
小さなアリなどの敵に襲われるかもしれません。そこで彼らは固い殻側から破ることでクヌギの殻のふわふわしている部分を利用して(写真のもこもこに見えるトゲなど)産卵した部分に蓋をするのです。
そうすることで卵と幼虫を安全な環境で育つようにしているのですね。
非常に面白いハイイロチョッキリの落とし物はクヌギやコナラがある場所であれば見られる可能性があります。 足元にも注目してみましょう!
ゾウムシってどんな虫?という方はこちらを参考にしてみてください。
aikawa-park.hatenablog.com