あいかわ公園自然観察ガイド

毎朝8時に公園内で見つけた植物や昆虫などの自然情報を発信していきます。記事下のリンクやカテゴリーからさらに公園の自然を知ることもできますのでぜひご利用ください。

強い植物

あいかわ公園を散歩していると木が謎の植物におおわれているような光景に出くわすことがあります。大きな3枚の葉を持つそのつる植物は食品にも使われている身近な植物です。
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こちらのかわいい花をたくさんつける植物はクズと呼ばれます。罵倒しているわけではなくそういう名前なのです。葛切り、葛粉は和菓子でよく見かける食材ですよね。あれらはこのつる植物の根にたまったでんぷんを利用したものです。
そして今の時期であればマメ科らしい花が咲いているのを見ることができます。紫色の物を見かけたらついでに見てみましょう。
マメ科の花は蝶形花(ちょうけいか)と言う形で一枚の大きな旗状のものと前に付く三角形のような花びらの2枚からなりますね。クズの花も同じようにこの2枚からなります。蜜のありかを表す模様も黄色く目立っていますね。
ちなみにこちらの写真には花に来る餌を狙うカマキリがいたのですが気が付きましたか?(笑) 気づけなかった方はもし自分が虫であったなら食べられてしまっていますね。
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ちなみにこちらはクズの葉っぱです。これを見てピンと来た方も多いかもしれませんね。日当たりのよい場所、特に河原や山の縁などにはよく生えています。
クズは葉を3枚持つので見分けるのが簡単です。さらに人間の手のひらよりも大きいので遠目から見ただけでも分かりますね。
彼らつる植物の仲間は絡みつく対象へどのように絡みつくかが植物ごとに違うのですが、クズはシンプルに巻き付くタイプです。ではその巻き付くためのつるを見てみましょう。
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クズのつるに触れてみて恐らく多くの方が思うのはこんなにしっかりとしたつるなのかと言う点だと思います。草全体が非常に大きいだけあってつるもかなり立派なのです。無理やりちぎろうとしても丈夫で柔軟と言う相反するものを持っているため、なかなかちぎれません。こんな立派な植物が茂ってしまうわけですから、覆いつくされた下の植物たちは太陽光を浴びられなくなってしまいますね。非常に強い植物なのです。外来種が日本に侵入して在来種(日本にもともといた種類)に悪影響を与えることはよく知られています。このクズは日本から外国に入り、野生化することで外国で今問題となっている種類です。
やはり日本で強い植物は海外でも強いのですね。

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ぐるぐる次の巻きつく先を探しているつるの先端です。クズに付く害虫としてはこれまた外来種のフェモラータオオモモブトハムシが三重県で今増えて問題となっています。これは非常にかっこいい昆虫なのですが(興味のある方は調べてみてください)クズのツルに侵入する虫で、広がりつつある虫です。
植物を利用する虫とその植物は密接に関わっているので、虫だけでなく他の自然の要素にも目を向けてみると面白いと思いますよ。
今であればナラ枯れを引き起こすキクイムシの仲間が世間を騒がせているので、その辺りの虫と植物の事情を調べてみると面白いですね。