あいかわ公園では人気のない時間に歩いているとヘビに遭遇することがあります。多くはアオダイショウと呼ばれるヘビなのですがシマヘビやヤマカガシなどのヘビが見られることもあります。風の丘の付近を歩いていると靴ひものような落とし物を発見しました。近づくとその物体は動き始めたのです!
非常にカラフルなヤマカガシの子どもです!アオダイショウにしてもヤマカガシにしても大抵見つけるものは大型なのでこのような可愛いサイズのヘビに遭遇出来たのはラッキーですね。小さいものの相手は毒蛇のヤマカガシですので、手で掴んだりはせずにゆっくり刺激しないように撮ります。ちなみにヤマカガシはかなりおとなしいヘビです。
見ての通り目がまんまるとしていて愛嬌がありますね。そして忘れてはいけないのがこの派手な色合いです。虫の記事などでも紹介した危険を知らせる警告色(蜂の黄色と黒のようなもの)を持っています。遠目から見てる分にはかっこいい感じがします。
目立つ模様ではあるものの地面の上などにいるとこのまだら模様がいい感じにカモフラージュになっているので気づかないものです。私も大抵の場合はヘビが移動したときの音で姿を確認します。動く音がする前に見つけることは稀です。写真はぶれていますが、彼らヘビは全身が筋肉でできているため非常に動くのが素早いのです。余裕こいていると平気で逃げられてしまいます。この子も茂みに逃げようとしたので逃がすまいと足などを使ってあたふたしているととある場所に追い込みました。
小さな木です。ヘビの仲間にはアオダイショウのように木の上に登り、鳥のヒナなどを狙うタイプ(樹上性(じゅじょうせい))がいますので、そのような種類であれば木に登るのも珍しくありません。一方でヤマカガシはカエルなどを食べるので水辺の地面の上、湿った地面の上を主に移動しています。そんな彼らでも木に登るんですね~これはいい発見でした。そして写真で見ると細い体は枝のようにも見えますね。目が慣れていないとうっかり見過ごしてしまいそうです。
しばらくにらみ合いを続けていると緩やかな動きには派手に反応しないことが分かりました。なのでゆっくりと接近してみます。
おおおぉ めちゃくちゃこちらを見ています!明らかに警戒されている感じがしますが、噛みつくときの首を引っ込める動作はしていないためヤマカガシの性格も考えれば大丈夫でしょう。このままさらに近づいていきます。一応カメラを前に出し、ガードをしているため安全を考えています。
そしてこれほど近くにまで接近することができました!目先数cmの距離ではっきりとヤマカガシを撮れました。非常に感動しています!ヘビの仲間は写真のように舌をチロチロとだし臭いを感じ取っています。人間と言う動物の臭いを舌をチロチロと出して感じ取り、おおよその距離などを測っているのでしょうか。
とここまで接近しておいていうのもなんですが皆様はヤマカガシを見つけても手や足などを近づけないようにしましょう。ヤマカガシはカエルを食べるため、田畑でよく見られる身近な毒の無いヘビだと思われていたのですが、実は強力な毒を持つ種類であることが分かったのです。
ヘビには人間でいう前歯の部分に毒牙を持つマムシのようなタイプと奥歯のような部分に毒牙を持つヤマカガシのタイプがいます。マムシは噛まれればほぼ毒が注入されますがヤマカガシの場合は深く噛みこまないと毒牙が刺さりません。しかし、噛まれた時の毒は同じ量であればマムシよりも強い毒なのです。さらにすごい点はこのヘビはもう1つ毒を持っており、首のあたりから毒を出して敵から身を守ります。その毒は彼らが食べているヒキガエルの持つものだというのだから面白いですよね。フグの毒が食べ物由来であり、どんどん蓄積されていくことで自身も毒を持つことは有名ですがヤマカガシも同じように獲物の毒を利用しているのですね。ヒキガエルを見ないこの公園のヤマカガシにはもしかするとこの防御用の毒が無かったりするかもしれません。
毒は怖いですがおとなしくて可愛いヤマカガシに運よく遭遇出来たなら、刺激しないように距離を置いて眺めてみましょうね。