あいかわ公園自然観察ガイド

嫌われがちな毛虫から大人気のクワガタたち、更には季節の植物まで。たくさんのあいかわ公園の自然を紹介していきます。隔日朝8時に更新中

カマキリやカマドウマに寄生するハリガネムシ 秋の水辺にいる虫に入っているかも!?

涼しい季節になってくると水の流れるような音が聞こえる場所で不自然に待機しているカマキリを見かけることがあります。そのようなカマキリは実はハリガネムシに水辺に行くように誘われているカマキリかもしれません。特に、カマキリの中でもハラビロカマキリの場合は可能性が高いです。
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写真のようにずんぐりむっくりしており、お腹の部分が大きいのが特徴のカマキリです。木などの高い所を好むカマキリで、パークセンターの壁などにもよくくっついている子です。このカマキリのお腹の部分に注目してみるともしかすると面白いものが見られるかもしれませんよ。


先日のイベントの案内中に、壁でこのハラビロカマキリを見つけたのですが、実は足元にもう1匹いたらしくそれに気が付かず踏んづけてしまいました。カマキリには悪いことをしましたが、踏まれたことで珍しい光景に出会えたのです。
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踏まれた写真がこちらです。よく見てみてくださいね。何やら細長い線状の黒い物体が映っています。これこそがカマキリのお腹にいたハリガネムシであり、カマキリがつぶれると同時にお腹の中からニョキニョキと伸びて出てきたのです!私も目の前で出てくる光景は初めて遭遇したので驚いてしまいました。彼らは腹の中でとぐろを巻いており、まるでぐしゃぐしゃに丸めた輪ゴムが自然に戻るかのようにゆっくりとその渦を開放していったのです。
実は、今の季節に道端を見るとカマキリとともに車に轢かれて死んだハリガネムシを見ることが多々あります。道路に変な針金状の物が落ちていたらハリガネムシですよ。
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ハリガネムシの姿がまだ見せられていませんでしたね。このように長い輪ゴムのようにしか見えない姿をしています。恐ろしいポイントはこれほどの長さの物が一匹のカマキリのお腹の中にいるということです。私はこの輪ゴムカラーと真っ黒、それからコンクリートのような白と黒が混じった色を見ています。長いのは輪ゴムカラーしか見ていませんね。彼らの生活も見てみましょう。
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カマキリなどの肉食性昆虫に寄生するまで、ハリガネムシは長い旅を続けます。卵は水中の底の泥と一緒にあるのですが、これを泥ごと食べるボウフラ(蚊の幼虫)などが食べることで、まず小さな昆虫に入ります。小さな昆虫が、より大きな昆虫に食べられることで虫のお腹を移動していき、最終的に大型肉食性昆虫に入るわけですね。栄養を横取りしたハリガネムシは再び産卵のため水辺に戻ります。そこで寄生主を水辺に誘導する指示を出すのです。最後は入水自殺をして水辺に戻ります。この入水の時期が今なので、水のたまった場所を見るとハリガネムシがいるかもしれませんよ。
人間には害のない生き物なので、見かけたらぜひ採取してみてください。