明日の自然観察ガイドはお休みします。
先日はウスタビガの♂を紹介しました。冬の始まりに現れる蛾でぬいぐるみのような可愛らしさを持つ癒しの蛾です。
今日は♀の方を見てみましょう。実は♂を見つけた日に♀が落ちていたのです。かなり弱った雰囲気でした。
捕まえた時点で蜘蛛の巣が絡まっており、恐らく巣に引っかかって暴れた後脱出したものの、絡まった糸のせいで飛べなかったといった感じでしょう。翅に絡まっていた蜘蛛の巣を取り除き、日当たりのよい所で少し温めてみました。
♀のウスタビガは♂とはだいぶ色が違います。明るい黄色がかなりはっきりしていますね。なので色だけでも♂♀が分かりやすいです。もちろん触角を見ることで確実に見分けることもできます。



暴れて産卵したのか分かりませんがお腹に卵が付いていました。生き残るために必死な感じが伝わりますね。
彼らは一度落ち着くとおとなしいのですが、その状態になるまで時間がかかることがあるようです。虫網の中で自分の気に入るポジションが見つからず右往左往している個体がたまに見られます。
暴れる程毛などが散ってボロボロになってしまうため、綺麗な状態で保存したい標本などは薬剤がないと苦労しそうですね。

そしてこちらがウスタビガの繭です。枯葉が落ちた後のクヌギやコナラの木を探してあげるとぶら下がっているのを見つけることができますよ。あいかわ公園では高級な糸の原料であるヤママユの繭と合わせて見つけることができます。冬場の自然観察で探してみることをお勧めします。タイミングが良ければ落ちた後の繭を拾うこともできますよ。