あいかわ公園自然観察ガイド

嫌われがちな毛虫から大人気のクワガタたち、更には季節の植物まで。たくさんのあいかわ公園の自然を紹介していきます。隔日朝8時に更新中

カンアオイの仲間たちの魅力

林床で誰にも発見されることなく葉を茂らせ、同じく誰にも見つかることなく花を咲かせるカンアオイの仲間があいかわ公園では見られます。
この植物は背丈が低く、カンアオイを知っていないとまず見つけられません。しかし、他の植物では見られない面白い特徴が葉にも花にもあるのです。

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葉っぱはこちらです。根元からニョキニョキと茎をのばし、大なり小なりの丸みのある葉をつけます。厚みがあり、ものによっては光沢があるという特徴が見られますが、ここに関してはかなり個体差が大きいです。
あいかわ公園で見られるのはランヨウアオイと言うカンアオイの1種です。カントウカンアオイもあるのかもしれませんが、私が見た花はランヨウアオイだけでした。ランヨウアオイの葉は、時計でいうと11時と1時の辺りに出る葉の跳ねている部分が外側に向くというものがありますが、あくまで1つの判断基準ですね。花を見るのが確実です。正直なところ、葉だけでの判断は難しいという印象を受けますね。

相模原近辺のエリアではランヨウアオイ、カントウカンアオイタマノカンアオイの3種が見られるようですが、この植物はどれも似ています。全国を見ても地域ごとの微妙な差が見られるのがカンアオイの仲間の面白い所で、例えばタマノカンアオイは東京の町田付近や、川崎付近などの多摩丘陵で独自の変化をした種類だと言われています。すごいことに全国で見られるのがそのエリアだけなんですね。
せっかくなので園内のランヨウアオイとそれら似た2種を比較してみましょう。

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典型的なランヨウアオイの葉がこちらです。
先ほどの時計の針の位置が横に飛び出し、葉に綺麗な斑が入っています。ランヨウとは乱様で乱れた模様の事を指しています。
花はこんな感じです。
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3月下旬頃から4月頭に見られます。白色をベースに紫色の花びら(がく)が目立ちますね。葉の下に花を咲かせるため、知らないと絶対に見られません。

同じ仲間のカントウカンアオイはどんな花をつけるのでしょうか?
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紫をベースに吸い込まれそうな穴が開いています。カントウカンアオイはシンプルな造形ですよね。先のランヨウアオイとは結構違うことが分かります。この仲間たちはあるところにはたくさんあるのですが、1つ見つからないと全く見つかりません。

タマノカンアオイはどうでしょう。
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葉は正直どの種も似ています。しいて言うならば上部がより内側に入り込み、乱れ模様が激しいといった印象がある位でしょうか。

しかし、花はだいぶ違います。
f:id:aikawa_park:20201219140039j:plain毒々しい紫色と、カンアオイではシンプルな形をしていた花びら(がく)の部分がかなりねじれています。
同じ仲間なのでベースは似ているのですが、やはり比べてみることで大きな違いがあることが分かりましたね。 

興味の湧いた方はカンアオイの仲間を調べてみてください。あまりの地域差に驚くこと間違いなしです。

ちなみにカンアオイは今は大変貴重となったギフチョウの食草でもあります。ランヨウアオイはあまり利用しないといった話を聞きましたがどうなのでしょうか。今では県内では宮ヶ瀬の先の山でのみ見つかっているギフチョウですが、山に沿って移動したものが密かに発見されず定着していてそれを発見してしまう。そんなロマンを追い求めたいと思ってしまいました。