パークセンターの虫コーナーとリンクした記事です。
パークセンターの虫にはスタッフの感覚でつけられた虫の難易度がレベルで表されています。
レベルが上がるほど難しくなるので、記事を参考にしてぜひ挑戦してみてください。前提として天気は晴です。雨の場合昆虫はあまり見られません。
☆2レベルは食べものを理解してあげれば捕まえやすい種類です。
コクワガタ(大.中.小)
意外かもしれませんがコクワガタは簡単につかまるクワガタです。(写真は小サイズ)
園内でもシーズン中は広場で毎日4~5匹は確実に見つけていますし、多い日には10後半匹くらい見つかることもあります。
園内で見つからない理由はシンプルです。
1、探し方を知らない
2、探し方を知っている人がすでに探した後
このどちらかの要素が大きいと思われます。
コクワガタは夜間に移動し、昼間は隠れて過ごす性質を持ちます。
(天然の穴の中に隠れるコクワガタ)
つまり、彼らが隠れそうな場所を探してあげることが探すうえでのポイントですね。
園内ではふれあい広場などの目立つ場所の木に隠れ家を作っているので、それを探してみるといいかもしれません。
夜のうちに隠れるのがコクワガタなので、ポイントは有限です。
つまりポイントが他の人に知られてしまうと取れる可能性は低くなります。しかし、ここで隠れる場所を探す体験をすれば、お住いの近くの雑木林などでも探せるでしょう。
コクワガタの捕獲はそれくらい簡単なのです。
園内では既に虫探しのライバルが探している可能性が高いです。
ライバルが少ない雨の日は捕まえる可能性が高かったりします。
諦めずに探す方法だけでも身につけましょう。そうすれば簡単に捕まえられますよ。
発見実績:ふれあい広場のクヌギコナラ、南駐車場アキニレ、花の森のクヌギコナラ(要ヒル対策)
ムラサキシジミ
シジミチョウ達の中でも虫コーナーで草マークのある草原性の子達と比べると異なる性質を持ちます。
それは木の上で待機するという点です。
そのため、樹上性(じゅじょうせい(木の上を好む))の蝶を狙おうと思ったときにはその子たちが産卵する木を知っていないとなかなか捕まえられません。
ムラサキシジミの場合アラカシやシラカシという木が産卵する木です。これはドングリの木なので分かりやすいと言えるでしょう。
アラカシは光沢のある固い葉を持ちます。また、虫コーナーのムラサキシジミに張ってあるドングリのように丸いドングリを持ちます。
彼らが好む木のドングリは、帽子に横線が数本入ると覚えておきましょう。これだけで木が見つけやすくなります。
園内でムラサキシジミを見つけるならば石小屋ダムの方面がおススメです。ダム方面に生えている緑の濃い木はアラカシです。
コミスジ
コミスジを含むミスジチョウの仲間は、見つける機会は多いものの捕まえることが難しい種類です。
飛び方が他の蝶と違い、ひらひらと空中を滑空するような独特な飛び方をします。これは実物を見ないと伝わらないと思います。
名前の通り三本の線(みすじ)が翅に入っています。頭側の1本目の線が翅先で切れ、真ん中の線とつながっていなければコミスジです。この仲間は線の模様を見ることで見分けられます。
食草が日当たりの良い開けたところに生えるため、彼らもそのような場所に見られます。園内では石小屋ダムの道路沿いで見られることが多いですね。斜面を覆う掌のような葉を探してみましょう。
写真下に広く映るのが食草のカナムグラです。石小屋ダム方面でたくさん生えていますよ。
アカタテハ
飛翔速度が速く、人の気配も敏感に感じ取るため、食事中以外での捕獲難易度はかなり高い種類です。
名前らしく赤い模様が目立ち、翅先は黒っぽくなるのが特徴です。
冬を越すタテハ蝶の仲間なので3月はパークセンター前のミツマタで見かけますし、日向ぼっこをしに来ていることもあります。
花が密集している場所を探すのがポイントですね。残念ながら春~初夏間では安定して見られる場所が見つかっていません。ふとした時に見つけられる感覚です。
秋では石小屋ダムのナワシログミと言う花が咲き乱れるのでそこに高い確率で見られます。
食草はカラムシと言う植物です。
やはり石小屋ダムの方面でよく見られ、宮ヶ瀬ダムを見ながらなら右手の斜面
宮ヶ瀬ダムを背にするなら左手の斜面で植物が見られます。
幼虫もいるはずなのですが、ここでは別の大型幼虫が多いのかアカタテハの幼虫は少ないようです。
ヒメアカタテハ
アカタテハに似ていますが、こちらは黄色みが強く翅先の黒色も弱いです。
アカタテハと似たような環境で見られるのでアカタテハでの戦略を参考にしてみましょう。
園内ではアカタテハの方が数が多い印象を受けます。石小屋ダムの花の最盛期である9月10月であれば見つけるのは簡単ですが、それ以外の時期となると運の要素が大きく絡んでくるかもしれません。
ツマグロヒョウモン
>♂と♀で色合いが違います。
タテハチョウの中ではキタテハと並んでよく目にする種類ではあるものの、花のある所でないとなかなか見つからないのでレベル2です。
写真のように♀の翅先には黒い模様があり、これがつまぐろの由来となっています。
♂の場合この模様はなく、ヒョウモン(豹柄の模様)らしい姿をしています。
(ツマグロヒョウモンの♂ ヒョウモンの仲間はどれも似ていてややこしい)
ヒョウモンの仲間は全国的に減っており、もしかすると捕まえたヒョウモンがツマグロヒョウモンではなく珍しい種類かもしれません。
裏翅を見ることでヒョウモンの仲間は見分けられるので確認しましょう。
ツマグロの場合裏も鮮やかで、四角っぽい模様が散ります。この仲間ではかなり決定的なポイントです。
園内では石小屋ダム方面の花やパークセンター前の花壇で捕まえたことがあります。秋以降はやはり石小屋ダムのナワシログミが強いです。
クロアゲハ
真っ黒な模様がかっこいいクロアゲハです。写真は翅負傷と逆光でひどいですが、アゲハを間近で撮れることはほとんどありません。
彼らアゲハの仲間は見つけるだけなら簡単な方なのですが、捕まえるとなると一気に難易度が上がります。飛翔が速く近づけません。
普通の虫取り網では彼らの食事時を狙わないとなかなか捕まえられないでしょう。
アゲハの仲間は春から出始めます。そして花の蜜を探し始めるのですが、赤い花を好む傾向があるので花の斜面のツツジを狙っていきましょう。
春から秋ごろにかけて4回ほど発生する時期があります。なので見かける機会が多いのですね。
加えて、ツツジにはアゲハの仲間やシジミの仲間など色々な蝶もやってくるのでここで探すとお得です。
石小屋ダム方面に5月頃咲くイタチハギやネムノキにやってきているのも確認しました。


スギタニルリシジミ
早春のわずかなシーズンにだけ姿を見せるシジミチョウの仲間です。
季節が限られており、時期を知ったうえで彼らが好む場所を知っておく必要があります。
出会う機会は多いものの★2の中では一番難しい種類と言えます。
☆1で紹介したルリシジミと比べると色が暗く、頭の方に行くにつれて色が濃くなります。また、毛が多いのもスギタニの特徴です。
スギタニは水辺を好む傾向があるので、水の滴る苔や沢沿いなどで見られます。
つまり石小屋ダムのような水しぶきが当たったり、水が垂れたりする岩場は彼らの好きな環境と言えます。
3月中であればパークセンター前のミツマタや、冒険の森付近のミツマタでも捕まえたことがあります。
しかしこのページを見て下さっている方の最大の敵はスギタニなのかルリシジミなのか種類を見分けるポイントかもしれませんね。
発見実績:パークセンター前ミツマタ、花の斜面つつじ、冒険広場、石小屋ダムなど
クロコノマチョウ
枯葉にそっくり擬態している蝶です。その擬態っぷりはすごく、眼で追いかけたはずのクロコノマチョウが地面に止まるだけで一瞬で消えます。
しかし、木に止まっている場合は見つけやすいのでそういったポイントを知っていると見つけやすいですね。
ふれあい広場の奥に下に降りていく坂があります。その道の土の上によく止まっているのでこの場所を知っていれば見つけるのは簡単です。
しかし、このような土ではヤマビルに注意しましょう。
aikawa-park.hatenablog.com
土の上にもよくいますが、樹液にやってくることもあります。
この蝶にも季節ごとの模様の違いがあり、秋型には美しいオレンジ色の模様が入ります。
タマムシ
カブトムシやクワガタに人気は劣るものの、2番手に人気だったのがタマムシです。
タマムシは珍しい印象がありますが、園内では見つけること自体は簡単な虫です。しかし、捕まえるとなるとなかなかに難しいものがあります。
タマムシの探し方はブログの方で解説を加えているので詳しい記事をご覧ください。
aikawa-park.hatenablog.com
根気次第で捕まえられるかどうかが変わる虫と言えますね。虫取りには忍耐が不可欠です。それをしっかり教えてくれる彼等は、いわば虫取りの先生と言えます。
記事の結論を言ってしまうと、タマムシは、長い虫網があれば捕まえるのは簡単な虫です。
園内では記事にある通りふれあい広場のエノキを探してみましょう。 見つけることはすぐできるはずです。
シロテンハナムグリ
カナブンよりも色が鮮やかで、子供たちにも人気の虫です。
カナブンと同じくカブトクワガタを探すために樹液を回っていると自然と見つけることがあると思います。
文字通り白い点が無数に散っているハナムグリで、類似種にはシラホシハナムグリと言う種類がいます。
しかし、シラホシは神奈川では絶滅しているので、この模様を見たらシロテンハナムグリと考えてよいでしょう。
たまに紫色の個体が現れ、☆5レベルの昆虫 ムラサキツヤハナムグリと似たものがいます。見分けは手持ちの写真では判断できないので、参考までに見ておいてください。
こちらは☆5レベルのムラサキツヤハナムグリです。顔の部分に注目してみましょう。
記号でいうと凸のように頭の先端(写真では頭の下の部分)が平らになっているか、凹のように凹んでいるかで見分けます。
先端が凹んでいればシロテンハナムグリの紫化個体
先端が平らならムラサキツヤハナムグリと見分けます。
些細な違いですが、これによって発見難易度が全然違う虫になります。
シロテンハナムグリを探すならふれあい広場の樹液を探してみましょう。
ゴマダラカミキリ
黒い宇宙に星を散りばめたような美しい模様を持つカミキリムシです。カミキリとしては中型で、似た模様の種類もいないので種類の特定は簡単な種類です。
ゴマダラカミキリは園内では比較的よくみられるカミキリムシで、ドウダンツツジを食害している場面をよく見かけます。
ふれあい広場のパークセンター側にあるもこもこした1m程の木や、パークセンターと冒険の森をつなぐ通路では左右両方にドウダンツツジを見ることができます。
このカミキリのすごい所はミカンの仲間やバラの仲間など幅広い木を食べて産卵することができる点です。
そのため、都市部でも見かけることの多い種類ですね。 とはいえ探してやる!と意気込んでみると見つからないので面白いものです。
園内ではパークセンター前や広場のドウダンツツジを探しましょう。名札が付いているので分かるはずです。
ベニカミキリ
パークセンターで紹介しているカミキリの中では、ラミーカミキリと並んで小型のカミキリムシです。
食草が竹であるため、出会える場所は本来であれば限られるのですが、あいかわ公園ではパークセンター付近を中心に竹が豊富にあるので見かける機会が多い虫です。
時期さえ間違えなければ取れるでしょう。
竹の生えている場所の関係からベニカミキリが見られるのはパークセンター付近、ふれあい広場付近、南駐車場付近、冒険の森方面となります。
この辺りのエリアを歩いていると、飛んでいる小さな赤い昆虫を見つけるはずです。
捕まえたら触角が連結させたようになっているか確認しましょう。(写真の触覚を参照)
難しい場合には、カミキリムシであれば手でつかんだ時にキシキシいうような特有の威嚇音を出します。それがあればカミキリムシですね。
ラミーカミキリ
著者一押しのカミキリムシです。ベニカミキリと同じくらい、すなわち小指の先位の大きさでとてもかわいらしく、色も綺麗で見つけるのも簡単と言う嬉しい虫ですね。
食草が限られているのですが、石小屋ダムの方面では食草がたくさん生えています。
晴の日で季節があっていればほぼ見ることができるという点も素敵ですね。
晴れていれば大抵このように葉の上にいます。
紹介しているカミキリは木を食べる子達ですが、この子は草を食べます。上記のアカタテハで紹介したカラムシと言う葉が食草なので、宮ヶ瀬ダムを見ているなら右手の斜面を中心に探してみましょう。