あいかわ公園自然観察ガイド

嫌われがちな毛虫から大人気のクワガタたち、更には季節の植物まで。たくさんのあいかわ公園の自然を紹介していきます。ネタを見つけたら更新中。画像の無断転載は禁止です。

スイセンと似た葉たちに注意。食中毒の代表種です。

山菜との誤食事故が起こる毒草

スイセンは毎年誤食による食中毒が起きる植物です。これはニラやネギの仲間など自生している植物と葉の姿が似ており、山菜で間違えてしまうケースが1点。畑などで作物とともに植えたスイセンを栽培した野菜と勘違いして取ってしまうケースが考えられます。

ここではネギなどと似た雰囲気を持つ毒草のスイセンとハナニラとそこら中に生えているおいしいネギの仲間、ノビルを用いて比較をしていこうと思います。


スイセンの葉と言われてもパッと思いつくことはなかなかないと思います。誰しもがこんな感じだったかなとそれっぽい姿を想像することはできますよね。そのなんとなく覚えている点が落とし穴になります。

写真のような細長い雰囲気だけを想像していると間違いなくスイセンを取ってしまい、年間の食中毒の一例に仲間入りしてしまいます。

ちなみにこの姿に似ている人気の植物が栽培のニラと自生のネギノビルですね。

こちらが細いですがよく間違われるノビルです。おいしく食べられます。

大型になると葉の雰囲気が非常にそっくりで、間違ってしまうのにも納得がいきます。
ノビルはネギ臭がすることとネギの仲間なので地際から茎を包むような特有の鞘(薄い皮のようなもの)があります。
2点を確認すれば毒草のスイセン、ハナニラと確実に見分けられます。

では次に有毒のハナニラを確認します。
その前に補足ですが花が付いたニラ(食べられる)を花ニラとも呼ぶので注意が必要です。

同じじゃないか!という気持ち、よく分かります。

ハナニラの雰囲気はスイセンを始めネギやニラともとても似ています。 先ほどのノビルとも長い葉が似ていますよね。
ハナニラの厄介な点は毒草でありながらニラ臭を持つという点です。畑などに植えると誤食の可能性が生まれます。

ニラ臭を確認してスイセンを除外

スイセンは色が白っぽいこととかなり太くしっかり立ち上がること、そして臭い香りがないことなどから実はポイントを押さえておけば間違えることはありません。

ハナニラの方が有毒でニラ臭もあるので厄介だと思います。

ハナニラとは花の違いを押さえておく

しかしこちらも花を押さえておけば大丈夫です。ニラがないので比較はできませんが、ハナニラは花の姿が全然違います。つまり確実に見極めたい場合には春の時期を待たなければならないというわけですね。

これが春に咲くハナニラの花です。

大きな花で可愛らしいですね。もしかすると写真を見てこの花かぁと気づかれた方もいるかもしれません。春にはそこら中に生えている植物です。

似たような植物を見極める場合には1つのポイントに絞るのではなく、必ず複数のポイントを見比べて種類を特定するようにしましょう。自分が知らないだけでいくつかのポイントが合致してしまう植物というのが存在します。

大切なのは目の前の植物がニラではない可能性を1つずつ消していくことですね。
自生のノビルの場合
1、ネギ臭の確認→スイセンを除外
2.葉の地際部分の鞘を確認→ハナニラを除外 
3.切り口の形を確認→アサツキを除外(アサツキも可食)
というプロセスを踏むことで安全が確認できます。




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