あいかわ公園自然観察ガイド

嫌われがちな毛虫から大人気のクワガタたち、更には季節の植物まで。たくさんのあいかわ公園の自然を紹介していきます。ネタを見つけたら更新中。画像の無断転載は禁止です。

プラナリアの口の位置は?

あいかわ公園でプラナリアことナミウズムシを発見して飼育もできている状況です。あれから時たま岩をめくりに行き、個体数は10匹に増えました。数が増えるともう可愛くてたまりません!ついつい眺めてしまう不思議な魅力がある彼らなのですが、何日か見ていて気付いた面白い点があるので紹介します。



まず餌に関してなのですが、調べたところによると1~2週間ほどは食べなくても生きていけるそうです。縮むものの1月も大丈夫だとか。切断再生実験が有名ですが、その時にはえさを与えずにしばらく放置させてから切るのがいいようです。特に反応がいいものはレバーらしいのですが、それらは食材として日持ちせず、水の汚れも大きいため、綺麗な水を好む彼らにあげる場合にはすぐに水替えが必要となるため少し手間がかかります。なので昔私が飼育していた魚たちのえさの中で、動物質の粒状のえさを利用することにしました。

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水の中に落としてふやけるとプラナリアが集まり始めます。写真を見て何か気づいたことはありませんか?
そうです。食べているのに三角形の頭の部分を使っていません。
実は彼らの口と言うのはお腹の部分にあるのです。そこで食べたものを全身に張り巡らせた血管のようなもので運びます。なので食後はお腹の辺りが食べたもので黒くなっています。これは面白いですね。
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この大きなプラナリアも写真では顔を突っ込んで食べているようですが、実際にはえさの上に登り、体の中央辺りで食べます。

そしてもう1つ彼らには忍者のような技があるようです。
なんと何もない水面を逆向きで泳ぐことができるという大変ユニークな技があるのです。

これには私も初めて見た時に驚きました。水の表面張力を利用しているそうなのですが、水の上 というより水の中の空気との境目を何事もなく進んでいる様を見ると、水上を走っているように見えるのです。

彼らは綺麗な水辺の岩や枯葉の裏に張り付いて昆虫などを食べているのですが、この技を使って水上にいる獲物を狙うこともあるようです。
私は背泳ぎをして鼻に水が入るのが大嫌いなので、感心してしまいます。


実際に生き物を飼育してみることで見えてくることは実はたくさんあります。プラナリアでいえば振動を感知して体を縮こませる性質や、光を嫌がる性質なども分かりました。同じようにクワガタやカブトなどの昆虫も飼育してみることで分かる個性がありますし、トカゲやヘビなどの爬虫類も触れてみることで分かる性格の違いなどがあります。図鑑などを眺めて得る知識ももちろん役に立ちますが、自然に関しては自分の目で体験することもとても重要だと感じますね。