園内で見かける花には、大型の虫が見られることがあります。ハエやハチなどはよく来ますが、中にはお花に集まるハナアブの仲間たちも紛れているようです。
ゆっくり近づいてみるとどうやら食事をしている様子ですね。
ちなみにハナアブと言うのはこういう虫です。暖かい季節に花によく止まっているミツバチみたいな虫ですね。
ミツバチだと思っている方も多いと思いますが、アブ独特の大きな目に注目してあげると分かりやすいと思いますよ。
見ての通りツツジの長いめしべに乗っかって何か作業をしているように見えますね。
拡大してみましょう。 虫たちは食事に夢中の場合は意外と逃げたりしません。
ここまで近づいてみると新しい発見がありますね。何やら大きな黒い口のようなものを利用しています。
拡大して分かったのですが、この子たちは結構器用に足を使っていますね!ほかのおしべに足を上手く絡めてうまく体を固定しています。
いったいここまでしてハナアブたちは何をしているのでしょうか?
その秘密はツツジのおしべにあります。
このおしべには花粉を飛ばす穴のようなものがあり、入口付近が花粉で覆われています。何か物が当たると花粉はそれにくっついてびよーんと出てくるんですね。写真は指をあてて引っ張り出した後です。
つまり、不思議なことに彼らはこの細長い部分をつっつけば美味しい花粉が食べられると分かったうえでこの作業をしていることになります。
白いおしべに白の花粉なので見にくいかと思いますが、おしべの先にはしっかりと花粉が付き、ハナアブは口先にそれをくっつけてしきりにもぐもぐしていました。これだけカメラを近づけてもまったく気にしない様子となると、よっぽどおいしいのでしょうか?(笑)
あまり馴染みのない虫ではありますが、じっくり観察したことで少し愛着が湧く時間となりました。