あいかわ公園自然観察ガイド

嫌われがちな毛虫から大人気のクワガタたち、更には季節の植物まで。たくさんのあいかわ公園の自然を紹介していきます。ネタを見つけたら更新中。画像の無断転載は禁止です。

ツツジが有名なあいかわ公園。ツツジを食べる希少なシジミチョウ、コツバメも現れます。

3月の上旬もあっという間に終わり、すっかり暖かい陽気が続いていますね。

いよいよ待ち望んでいた季節がやってきました。
春にだけ現れる希少な蝶たちのシーズンが始まります!
早春に現れるコツバメと言う蝶がまずその第一弾です!
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コツバメはユニークなシジミチョウで、有毒なツツジの仲間を食べます。自生のツツジが生えるような環境は限られており、なかなか見られない蝶なのですが、園内の4万本を超えるツツジのおかげかよく目にします。

コツバメは飛ぶのが速いシジミチョウの仲間です。今の時期には生まれたばかりの個体が見られるので全体的に綺麗な子が多く、写真を撮るには最高の時期ですね。 

見た目はかなり特徴的なので間違えることはありません。ぱっと見だけでもかなり色と体に特徴がありそうです。

警戒心はやや強めでしょうか?食事中でないとなかなか近づけません。
しかし、園内のツツジがたくさんあるため、近づく機会が多く、間近で見ることができました。
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地面の上で逃げない子に遭遇しました。 ここまで近づいてくると彼らの色合いと特徴が分かりますね!

頭の方を見てみましょう。体にたくさんの毛が生えていますね。これは分かりやすいポイントです。そして色にも注目してみてください。茶色系のシジミチョウでこの早春に見られるものはいないので、コツバメには似たものがいません。

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確かに表も裏も派手さはない種類ですが、表翅の木造家具のような色が私は好きですね。 写真のように翅の表側を見てみると紺色のような色合いが見えます。他のシジミチョウでは見られない紺色と青を混ぜたような美しい翅を持っています。

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ありがたいことに目先ぎりぎりの5cm位まで近づくことができました。近づいてみると毛に緑色系の輝きがありますね。f:id:aikawa_park:20210310142903j:plain
↑のムラサキシジミのように翅の表側に光を反射する鱗粉があるのは知っていますが、裏側にもそのような色に見せる鱗粉があるのでしょうか?よく見ると緑色と紺色をしていますね。

構造色(こうぞうしょく)と呼ばれるこの不思議な色合いは鱗粉に対して当たる光の角度で色の見え方が変わるので、シジミの仲間を見つけた時には首を動かしながら色合いの違いを見ることをお勧めします。本当に色の濃さや輝きが変わるので面白いですよ。

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3月中のベニバナアセビに止まるコツバメは、春の妖精といってもいい位にマッチした存在です。この時期の散策ではぜひ見て欲しいですね。

ちなみにコツバメは止まっているときには翅を滅多に開きません。表を見るには捕まえるしかないようですね。

これから始まる春の蝶たちの出現がさらに楽しみになりましたね。次はスギタニルリシジミと言う早春の蝶を狙っていきます。 

ようやく見つけたスギタニルリシジミはこちら↓
aikawa-park.hatenablog.com
冬を越す蝶たちも見られていますよ↓
aikawa-park.hatenablog.com


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