種と言えばどんなものをイメージするでしょうか? ブドウのように大きくて丸いものもあればタンポポの綿毛のようにフワフワしたものもありますよね。
しかし植物の中には一見すると種には見えないようなものをつける種類がいます。
それがイヌシデの種です。シデと付くものにはアカシデやクマシデと言ったイヌシデより大きかったり小さかったりする種類もありますが、皆こういった葉っぱが垂れ下がっているような種をつけます。
ブドウの実が房のように付くようにこのシデの仲間も房に見える形で種をつけるんですね。
葉のような種は全てが種と言うわけではありません。驚くべきことに種は写真の付け根にある一部分だけなのです。写真をよく見てみると根元部分には丸い種がくっついているのが分かるかと思います。
では一体何のためにこんな羽のようなものが付いているのでしょうか?
それはこの仲間の種の飛ばし方にあります。
似た仲間で分かりやすいモミジの種で比較してみましょう。
モミジの種は房のようには付きませんが、羽があり根元に丸い種が付くという点で似ています。この手の種はとある手段を使って種を移動させるのです。少し想像してからスクロールしてみてくださいね。
この仲間は風で種を飛ばすのです! 羽があることで種を遠くに運べるんですね。イヌシデは風に乗るのが下手なのですがモミジはとても綺麗に飛びます。さすがに飛んでる様は移せませんね。
イヌシデはクヌギコナラと比べると名前を聞くことのない植物ではあります。しかし雑木林的な環境があれば見ることができる植物なので探してみてください。
写真のように葉に走る線(脈)が深いため凸凹が目立ち、葉の端を見るとギザギザが細かくついているのがポイントです。
葉の特徴と先ほど見た種を探してあげればこの仲間はばっちりですね。
同じシデの名を持つ植物アカシデの花を紹介したこちらの記事では、種ができる前の花の雰囲気を見ることができます。
aikawa-park.hatenablog.com
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