5月辺りの自然で目につきやすいお花と言えばフジの仲間が綺麗で分かりやすいでしょう。
しかしここ宮ヶ瀬のエリアでは紫ではなく 黄色いフジのような花が目立ちます。黄色いフジも綺麗だなと思えるその植物は、実はジャケツイバラと言う別の植物なのです。
幸運にも目の前でジャケツイバラを見ることができました。
フジのような姿に見えると伝えたように、この植物は他の植物に絡みついて高い所を目指す植物です。なのでなかなか目先で見ることができない植物です。
見ての通り真っ黄色の花を多数つけていますね。 雰囲気はフジの色違いにそっくりです。
お花を見てみましょう。
一見するとマメ科らしくない花です。普通に咲いていたらマメの仲間だとは気が付かないかもしれませんね。
マメの仲間は蝶形花(ちょうけいか)と言う旗のような姿をした特有の形を持つのですが、ジャケツイバラは一見するとそうは見えません。
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(蝶形花に興味のある方はこちらをどうぞ)
しかし、この束になっているおしべと言うのはマメ科によく見られる形です。
こちらはフジの花です。濃い紫色をしたでっぱりの部分がありますよね。ちょうどジャケツイバラの束になった雄しべが隠れそうな姿に見えませんか?
多くのマメ科はこのフジのようにおしべが収容されているんですね。花粉が水で流れないなどのメリットがあります。
ジャケツイバラの場合は隠れておらず、エノキタケのようなおしべが飛び出ていると覚えておきましょう。
そして、名前にイバラと付く植物はあるものを持っている可能性が高いです。
それがトゲです。
トゲ植物は数多くありますが、ジャケツイバラのトゲは かなり厄介なトゲです。写真のようにまっすぐついているタイプと、鎌のように引っかけるように曲がった針を持っています。
例えばフジであれば他の木や枝にぐるぐると巻き付きながら高い所を目指します。このジャケツイバラも同様に高い所を目指しますが、かぎ状の針でがっしりと絡みつくことができるんですね。
加えてシカなどの葉を食べる動物に対しても、自身を避けてもらうための武器になります。非常に賢い植物と言えるでしょう。
写真下部のトゲを見てください。
トゲから引っかかる気まんまんの意気込みを感じますよね。うっかりと引っかかろうものなら人間の服であっても容易にとらえられてしまい、脱出は困難です。しかも かなり痛いので注意が必要ですよ。
宮ヶ瀬の地域ではそこかしこで黄色いジャケツイバラの姿を見かけるので、見かけた時にはあれがジャケツイバラか と眺めてみてください。
マメ科のお花に興味の湧いた方は蝶形花を分解しながら説明しているこちらの記事も楽しめるかもしれません。
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