5月の記事で、大量発生している蛾の幼虫を紹介しました。
aikawa-park.hatenablog.com
あれから2週間ほど経ち、白い蛾が出始めました。街中の自然があるような場所でも同じような蛾が出始めているかもしれません。可愛らしい蛾の仲間を見るいいチャンスですよ!
あいかわ公園のミズキと言う植物がある場所の付近では、まだまだこれからではあるものの白いキアシドクガが飛び始めています。
(コンデジでは映しきれません(涙))
今年は発生数が多く、写真の中で食草のミズキの葉が全て無くなってしまっているのが分かりますね。
飛んでいる白い蛾はパッと見た程度でも かなり目に付くので、この蛾が飛んでいればすぐに皆様も気が付くかと思います。
(写真では中央と左側に白い蛾がいます)
キアシドクガの成虫も幼虫と同様に毒はありません。ドクガの仲間の一部には成虫でも毒を持つものがいますが、成虫で毒を持つ蛾は限られるのであまり気にしなくても大丈夫です。
では食草の周りを飛んでいるキアシドクガを捕まえてみます。
蝶とは違いふわふわと漂っているような飛び方をしているため、捕まえやすいですね。
今回の記事や、上記の幼虫の記事で「なぜキアシドクガと呼ぶのかな?」と思った方も多いのではないかと思います。実はその秘密というのは蛾になってからでないと分からないんですね。
これがキアシドクガの足です!
白い体に黄色い足とかなりおしゃれのセンスが高い蛾であることが分かりますね。
植物や虫の中には見た目がそのまま名付けられるというパターンが結構あるのですが、このキアシドクガも見たままで名付けられている虫です。
黄色い足を持つドクガ科の仲間。これでキアシドクガと言うわけですね。
少し体を見てみましょう。
可愛らしい黒目のある頭部を見てみると、蝶の仲間に見られるストローのようなものが見当たりませんね。これは一体どういうことなのでしょうか?
なぜストローがないのか考えてみてからスクロールしてみてください。
実は彼らは蛾になってから食事をしません。
大人になってからはもともと持っていた栄養分だけを使って生きていき、その後食草の周りで子孫を残すために相手を探すんですね。
そう考えてみると たくさんの蛾が食草の周りを飛んでいる姿も違って見えてきませんか?
彼らは1週間程度の限りある命の中で、必死に命を残すべく飛んでいるのです。
「蛾がたくさん飛んでいて気持ち悪い」と捉えることは簡単ですが、彼らの事情を知ってみると、1つ違った素敵な生き方に見えてきますね!
ちなみに触角が櫛型で大きくなっています。これは蛾の♂に見られる傾向で、 ♀の出すフェロモンを感知することができるとされています。
まとまって食草の周りを飛ぶ生態も、相手を見つけやすいという意味で実に効率がいい生き方ですよね。
もし色々な所に飛んで行ってしまえば相手を探すのが大変ですし、産卵する場所に移動するのも大仕事です。 こういった体力を使いそうなことがすべて1ヶ所にまとまっているんです。
実に賢い蛾ですね。
これから1週間ほどの時期で白い蛾キアシドクガは多数みられるようになるはずです。
1年に1度の彼らの飛翔は、少し自然のあるような場所であれば見られる可能性がありますので、探してみてはいかがでしょうか? 思ったよりずっと可愛いですよ。
蛾に興味の湧いた方はジェット機のようなスズメガの記事も楽しめるかもしれません。
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また、超巨大な蛾も園内にはいます。手のひらほどの大きさがあるヤママユガの記事も面白いですよ。
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