春と秋で見分ける難易度が大きく違う植物 アザミ
春に自然の中の日当たりのいい場所を歩いていると、一風変わった紫色の大きな花を目にすることがあります。
海岸に張り付いているフジツボのようなものを連想させるこのお花はアザミと言う植物の仲間で、タンポポなどと同じキクの仲間です。春には身近では2種類秋には数十種類の似た種類がおり、季節で見分けるのが難しい花です。
上の理由から春のものは簡単に見分けられます。今回は春の種類を見ていきましょう。
春咲きのアザミはノアザミとキツネアザミの2種類しかいないんです。 写真のものはまだ開きかけのお花なので数日後の姿を見てみましょう。
こちらがノアザミのお花です。
なんとこんなにも綺麗にドーム状に花開くんです。この姿を見て切り花に使われているあれかぁとピンと来た方もいるかもしれませんね。
このお花を見てどこに目が向くでしょうか?紫色のお花や針のような花の形などなど目につくところはあります。
ここで注目して欲しいのが白い粉です。
アザミの仲間はこのように花の先端に白い粉が目立ちます。
拡大してみると分かりやすいと思いますが、この粉が花粉です。
アザミの仲間は虫に花粉を運んでもらうお花なのですが、どう運んでもらうかというのは難しい問題ですよね。
そこで彼らは虫が花に触れたら花粉を出すという技を身に着けたのです。 これで効率よく虫に花粉を付けられるわけですね。
改めて覗いてみると多くの細長い突起に花粉がすでについているのが分かります。虫さんがやってきた後ということですね。
アザミの面白い所はこの後に同じ部分からめしべが出てくるという所です。
少々見にくいかもしれませんが、花の下側にある濃い紫の先端を見ると、色の明るい突起が先に出ていることが分かります。
アザミの仲間は先に花粉を飛ばす♂の時期があり、その後にめしべを出す♀の時期があるというユニークな仲間なんですね。
♂の時期である今であれば花に触れると花粉が出る様子を楽しめますので、近場で見かけたならば軽く触れてみてください。
アザミの仲間に興味の湧いた方は、1mを超える超巨大なトゲ植物 アメリカオニアザミの記事も楽しめるかもしれません。
aikawa-park.hatenablog.com
あいかわ公園の自然に興味の湧いた方は↓のカテゴリーから植物をクリックすることで多数の記事を読むことができます。
また、下のリンクからは280種近くのお花が載ったあいかわ公園の山野草図鑑を見ることができます。花の色が分かれば園内の花の名前と説明が読めますよ。