食材として食べたことがあってもどんな植物か知らない植物と言うのは意外と多いものです。
夏場に食べる和菓子の中に葛切りと言うお菓子がありますが、あの原料となっている植物が身の回りに生えていることを知ってしますか?
こちらがところてんのようなお菓子の原料であるクズと言う植物です。
河川沿いなどでよく見られる他、あいかわ公園のような山沿いの場所でもよく見られます。幅広い環境で見られるのですが、それはクズの戦略にあります。
普通の植物の茎はまっすぐ立ち上がりますが、クズの茎は写真のように細長い姿をしているのです。
これで他の植物に絡みついて太陽の光を独占するのが彼らの戦略です。
見ての通りかなりの巻き付き具合ですね。
他の植物より上に出られるので、その後大きな葉を広げるのです。
そして栄養が地下に蓄えられ、このでんぷんが葛切りの材料の葛粉として利用されています。
もちろん栄養は地下に貯めるだけではありません。
動物の尻尾のようなものがクズの周りでは見られます。夏場になると薄紫色の蕾をつけ、その後豪華な花をつけるのです。
花はマメの仲間らしく豪快に咲きます。
気の早いクズがすでに咲いていました。
濃い紫色が目立ちますが、花の中心には虫に蜜のありかを示す模様があります。
イカのような姿をしていますが、マメの仲間はこうした2枚の花びらからなります。
花が咲くころになると虫がたくさんやってくるのでカマキリなどの肉食性昆虫も見られる場所になりますね。
この場所にもキリギリスかウマオイでしょうか?肉食性と思われるバッタが来ていました。
人間にも他の虫たちにも大人気のクズはその辺に生えている植物です。自然と人とのつながりを学びやすい植物なので、探してみてはいかがでしょうか? 機会があれば根を掘ってみたいものですね。
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