秋の水辺をよく見ると何かがいる?
日が落ちるとなかなかの寒さを感じる季節になりましたね。この時期になると思い出す虫がカマキリです。
カマキリと言えば昆虫界の中でも上位に立てるほどの強い虫といえるでしょう。
しかし、そんなカマキリも一方的にやられてしまう相手がいます。それがハリガネムシと言う生き物です。
やや見にくいかもしれませんが中央にいます。
ハリガネムシは水辺に現れる非常に面白い生き物で、ちょうど秋の今頃になると道路や水辺に細い線状の針金のような物体が落ちていることがあります。
これこそカマキリに寄生した脱出したハリガネムシの姿です。
ハリガネムシの姿とは?
早速捕まえてきました。
ハリガネムシはテレビなどでは目にすることがあるでしょうが、実物はなかなか見かけることの無い生き物です。
寄生生物と言う物騒な名前から人間にも寄生するのではないかと気にする人もいると思いますが、人には無害なので全然触れても問題はありません。
水の中に入れておくとにょろにょろと独特な泳ぎ方で動き回っています。
何を考えているのかは全く分かりませんが、何かを目的に行動したいという意思は感じます。実際は産卵のために相手を探しているんですけどね。
この時期になると園内でも良く見つかるのですが、色や長さなどが種類によってかなり違うようで、見かけるとついついNo.1の長さのハリガネムシを探してしまいます。
ところでこんなに長い生き物がどうやってカマキリの体内に侵入するのか気になりますよね。
物理的にお尻から進入していくのでしょうか?
それには彼らの生態が関わってきます。
ハリガネムシの見事な生態
ハリガネムシは水辺に生息している生き物で、産卵も水の中に行います。
すると小さな蚊の仲間やカワゲラやトビケラなどの水中の泥などを食べる昆虫に食べられ、小さな虫の中に入ります。
水生昆虫の中でもカワゲラたちはその後陸上に移動する昆虫なので、今度は彼らをトンボやバッタなどの肉食性昆虫が食べます。
(肉食性バッタのクダマキモドキの仲間)
それが巡りにめぐっていくと昆虫の中でもかなり強い(食物連鎖の上にいる)カマキリのお腹に入るのです。
しかし、ハリガネムシは寄生したカワゲラが死ねば共に死にますし、運よくカマキリに入れても水辺にたどり着けなければカマキリと共に死んでしまいます。
あらゆる困難を乗り越えた子達がこうして姿を見せてくれているのです。
そう考えるとこの細長い生き物の一生を思い浮かべてみるのもとても面白いですね。
ハリガネムシが大好きなカマキリはハラビロカマキリと言われています↓
aikawa-park.hatenablog.com
近々の記事で水辺にたどり着けなかったハリガネムシの様を紹介したいと思います。お楽しみに。