雑木林でコツコツ叩く音がしたら
冬場のふれあい広場の奥側では、人の気配が少ない時に木をこんこん叩いたような大きな音が響きます。
音の大きさとは裏腹にその音の主はかなり小さい鳥です。
灰色と白色が可愛いコゲラと言う鳥です。
コゲラは皆様がイメージするような大型のキツツキではありませんが、持っている特徴はちゃんとキツツキです。
足と尾羽の3点で体を支える特有のバランス感覚で、垂直に立っている木であっても張り付くことができます。
おや?何かを探しているようですね。
餌を探すキツツキは木の表面にいる昆虫や木の中にいる昆虫を探し出して食べます。
木の表面でいうならばこの季節なら蛾の仲間や蛾の繭が中心になるでしょうか?
フユシャクの仲間などはちょうど出始める時期なのでいい餌となるでしょう。
また、幹に張り付いている繭なども食べられています。
一方で木をつついているならばカミキリムシなどを狙っている可能性がありますね。
カミキリムシの幼虫は木の中に穴をあけます。
これに限らず木の中に入り込む幼虫たちは幹の中に穴をあけて進むので空洞ができるのです。恐らく木を叩いた時の音の違いで中に虫がいるかどうかを探っているんでしょうね。
この子の発見も木を叩く音で気が付いたのですが、ちょっと様子が違うようで樹液に夢中です。
樹液が流れ出ている個所にくちばしを突っ込んで何度も蜜を舐めていました。
私との距離は4m程まで近づけましたね。
神奈川県ではこうしたブナ科の木から樹液が噴出し枯れてしまうナラ枯れ(キクイムシと言う5mm程の虫が木に大量に入る)が問題となっていますが、一方で冬場の鳥などの栄養源ともなっているようです。
おや?
今度は移動して木をつつき始めました。枝を見ると黒いゴムのようなものが見えますね。
これは枯れ枝によく見られるものなので、恐らく枯れ枝に潜入している幼虫か何かを探し始めたようです。やはりつついて探している時がコゲラらしいですね。
あっという間に高い所に登ってしまいました。コゲラは警戒心がそこまで高くなく、ちょこちょこ動き回るおかげで見ていて飽きません。
見つけやすいので鳥に興味のある方には非常におすすめですよ。
おススメ観察スポットはふれあい広場です。晴れていれば遭遇できる可能性は高いです。詳しく知りたい方は自然観察ガイドまでどうぞ!