一見すると何もない冬の公園
真冬は昆虫も少なく目立つお花も多くはありません。しかしこの時期だからこそ味わえる細々とした自然と言うものがあります。
それを探すには地面や樹木に1歩近寄ってみましょう。
唯一目立つ鮮やかな花は植栽されたバラやツツジの仲間です。
バラの仲間は幹にトゲを持つことで園内を訪れるシカなどの草食性動物から身を守っています。
バラはそのお花が鳥や昆虫などの餌となっているだけでなく、カミキリムシなどの昆虫が幹に侵入したりもするので色々な生き物とかかわりのある植物です。
ツツジも昼間の暖かい日差しの影響を受けてか、それとも刈込の影響を受けてか咲いているものがぽつりぽつりと見られます。
園内にはシャクナゲを含めて40数種以上のツツジが植えられており、春には賑わいを見せてくれます。
もちろんツツジがこれだけあるので、春先にはツツジが好きな蝶の仲間を見ることができます。
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(ツツジ専門で食べるコツバメ)
とはいえ今はリュウキュウツツジ・セキデラなどの一部のツツジが見られるのみです。
冬場と言えば苔観察が楽しい時期でもあります。乾燥した地面の湿度を保ってくれる苔の仲間たちは植物達にもありがたい存在です。
園内の日当たりのよい所でよく見かけるスナゴケは乾燥し始めると写真中央のように葉が縮み、真夏の暑い日差しの中でも耐えられる丈夫な植物です。
この状態で水を含ませると一気に手前の青々とした葉を広げた姿に戻ります。面白い苔です。
コケが生えている花壇の中には花咲く時を待っているヒメオドリコソウの蕾がみられました。
足元の小さな花なので見逃してしまいそうですね。この植物はシソの仲間なので葉をもみこんでみるとピーナッツのような?香りが楽しめます。面白い香りなのでおすすめです。
また、花だけでなくとも楽しめる植物もあります。
こちらは虫よけの樟脳でもお馴染みのクスノキの仲間の1種シロダモと言う植物です。
葉をちぎると弱いもののいい香りが楽しめる点も面白いですが、やはりシロと名づけられるだけの葉の姿が印象的です。
クリスマスツリーの綿 まではいかないものの随分と葉の裏が白くなっていますよね。こうした見た目の違いを手に取って感じてみるのも面白いですよ。
この時期の自然は目を凝らさないとなかなかものを見つけられません。しかし自然は着実に春に向けて変化をしているのでその時間の変化が面白い時期でもあります。