あいかわ公園自然観察ガイド

嫌われがちな毛虫から大人気のクワガタたち、更には季節の植物まで。たくさんのあいかわ公園の自然を紹介していきます。ネタを見つけたら更新中。画像の無断転載は禁止です。

上空からパンやおにぎりを狙うハンター トビ

空からこちらを観察する鳥

園内でご飯を食べていたら大きな鳥に奪われてしまった! そんな経験をした方もいるかもしれません。

おにぎりやパンを食べたいと思っているのは我々だけではありません。
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上空を飛び回るトビを撮影しました。やはりとても大きい鳥であることが分かりますね。

トビを眺めていると空を飛んでいるのにあまりはばたかないことに気が付きます。 

トビなどの猛禽類(もうきんるい)は風に乗るのが上手なのです。

太陽の光で地面が暖められると生じる上向きの風、上昇気流と言うものに乗って彼らは飛びます。
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羽を目一杯広げることで下から吹き上がる風を帆のように受けているのです。船の帆のようなものをイメージしてください。

翅先が開くほど目一杯広げていることが分かりますね。


一方で多くの猛禽類が同じように羽を広げて空を飛ぶため、飛んでいる状態で種類を見分けることはなかなかに難しいものです。


まずは一番目撃数の多いトビの見分けを覚えて挑戦していくことをお勧めします。
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トビの分かりやすい見分けポイントはお尻の部分の形です。写真でも押さえられていますがお尻の羽の部分が三味線のバチやもんじゃ焼きのヘラのような三角形をしていますね。この点が分かりやすいポイントです。

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また光の辺り加減にもよりますが真下から見上げると白い模様があることが分かると思います。羽を人の腕に例えるとちょうど手首の辺りでしょうかね?



ご飯を盗んだり、貴重な猛禽を探し始めるとまたトビか!と思ってしまったりとバードウォッチングでは何かと外れ感があるトビですが、自然の中ではとても重要なポジションにいます。

彼らは死んだ動物などを食べてくれるお掃除屋さんなんですね。 もちろんこうしたお掃除屋さんは鳥だけではありません。
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例えばオサムシの仲間も死んだ生き物に集まり、それらの腐肉を分解してくれます。

写真はアオオサムシで園内ではよく見られる昆虫ですね。 

トビなどが大きな肉をバラバラにし、オサムシやシデムシ、ハエの幼虫などがさらに分解してやがては土にかえるというわけですから、彼らの役割はとても重要ですよね。

トビは最も普通に見られる猛禽類なのでかっこいい鳥を眺めたい方には非常におすすめの鳥です。

園内で食事の時には上を眺めてトビを見つつ、警戒していますよと言うアピールをしてあげるとご飯を狙って飛び込んでくることを防げます。 試してみてくださいね。