あいかわ公園自然観察ガイド

嫌われがちな毛虫から大人気のクワガタたち、更には季節の植物まで。たくさんのあいかわ公園の自然を紹介していきます。ネタを見つけたら更新中。画像の無断転載は禁止です。

スミレ、ヒメウズ、テンナンショウ。春に咲く紫色の花と毒

春到来!

自然の中を歩くのが楽しい季節となりましたね。

この時期に目に入ってくるのは紫色黄色の植物が多いと思います。

とくにスミレの仲間は見かける機会が増えますね。

春と言えばスミレ!

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漢字の大の字のような姿が特徴的なスミレの仲間の中でも最も身近なタチツボスミレですね。
根元からグイっと伸びた茎が可愛らしい植物です。スミレの仲間の種ははじけ飛ぶ形の種なので、周囲にたくさん生えていることが多いです。
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この時期に現れるビロードツリアブとはお互いに利用し合う関係だと思われます。長い花の形と長い口、ベストマッチですね。

変わった形のヒメウズとは?

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タチツボスミレが生えるような日当たりのいい場所には、ちょっと変わったヒメウズと言う植物も見られます。

可愛らしい姿ですが毒を持つ植物で、あの有名なトリカブトのお友達ですから驚きますよね。
山菜摘みでうっかり取ってしまいそうです。

ヒメウズはいつもうなだれているお花なので、内側を見るのは大変です。
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地面に向けたカメラをグイっと上に向けてようやくここまで覗き込めます。

花の内側は黄色になっていますね。紫と黄色ですから危険を表す色 と捉えられなくもありませんね。

こんな姿でこんにゃくの仲間!?

春に咲く紫色の花の中でもとりわけ奇妙なものがこちらです。
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「これは花ではないでしょう」という声が聞こえてきそうですね。

春の薄暗い環境で見られる代表的な植物、テンナンショウの仲間です。
食卓に並ぶこんにゃくの仲間と言うと親しみやすいかもしれませんね。知らない方も多いかもしれませんが、テンナンショウの仲間は食べると痛い目を見る植物です。針で刺されたような痛みが続くと言われていますから、要注意ですよ。
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このように地面から不気味に立ち上がり、耳を横から見たような姿の苞(ほう)と言う包みを持ちます。

本当の花はこの苞の内側にあり、普段は見られません。 人間の耳のような形を例えて、ミミガタテンナンショウと呼ばれる種類がありますが、恐らくこれもそうだと思います。この種は似た種類が多く非常に難しい種類です。
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写真は戻りますが、生え際の部分がヘビの模様に見えるマムシグサと言うものもあります。

その他些細な違いから種類が変わり、地域ごとの変異も多いため見分けはかなり難しいです。
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ミミガタテンナンショウのミミガタの由来がこの部分です。

そして内側の棒が花粉の媒介者を導く付属体(ふぞくたい)と言うパーツです。
ハエ、コバエの多くがここから侵入もしくは上り棒のようにつたって内側に入っていくと言われていますね。
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どうですか? 掴んで滑り降りたくなる感じがしませんか?
虫たちからすると花が出す臭い香りも相まって相当魅力的に映るのではないかと思いますね。

今回紹介した花たちは園内で普通に見ることができますので、興味のある方は探してみてください。
aikawa-park-sanyasou.hatenablog.jp
お花たちを追加