あいかわ公園自然観察ガイド

嫌われがちな毛虫から大人気のクワガタたち、更には季節の植物まで。たくさんのあいかわ公園の自然を紹介していきます。ネタを見つけたら更新中。画像の無断転載は禁止です。

ツツジや桜の開花情報 2024年 (4.24更新)

クルメツツジがピーク~見ごろを終えようとしています。
見ごろのツツジの紹介です。





花の斜面上部でマヤフジン、ハナアソビ、アヤヒメなどが見ごろを迎えています。
今週末までは持たないと思われます。


週末はオオムラサキツツジが良い頃合いになると思われます。

花の斜面はピークは過ぎています。しかしまだ美しく咲いているものもあるため、興味のある方は早めの来園をお勧めします。

石小屋ダムの新しく解放された場所を散策

4/1より石小屋ダムをより近くで見られる!


本日より石小屋ダムの左岸側が開放されています。これまで石小屋ダムはダム天端から見下ろすことしかできませんでしたが、これにより見上げることも可能となりました。
先に注意点を述べておくと最近はサルの出現が多くダム方面全般でフンがかなり多いです。なのでダムの景色に夢中になりすぎず足元をしっかりと確認して進んでください。
また、水が土に吸収されていかないのでコンクリ上に残ったままの場合も多いです。滑らないように気を付けてください。


新しいエリアということで私自身もここを降りるのは初めてです。楽しみですね。では降りてみましょう。

ここの下に見える橋まで降りられるようです。結構下まで行けますね。

階段です。周囲は石に囲まれているようです。この辺の地域は周辺を見てみるとこの層に岩盤があるようで、そのままの岩なのでは?と考えていますが実際にどうなのかは不明です。


岩です。苔などは生えていませんね。

下につきました。今日の時点でカジカガエルの美しい声が響いています。非常に美しいヒュロロロロロ↑というような声です。
石小屋ダム周辺から中津川沿いの上流にかけて声を聞くカエルでこれまでも声自体は聞こえていました。しかし下まで降りるとその特有の凹状の地形から音がよく響きます。逆にこの地形のためどこにいるかは分かりません。


石小屋ダムを見上げられます。大雨後などの越流時にここが開放されるのかは不明なのですが、もし解放されていればとても面白そうですね。

一番下の橋です。ここはサルのフンが目立ちました、注意しながら歩いてください。ここより左手を向くと中津川の流れが目に入ります。
これからの新緑の季節には爽やかな雰囲気が味わえそうですね。

あいかわ公園で春の気配を満喫。旬の自然情報

春の気配を楽しもう

春らしい空気感を味わうならばこれからのあいかわ公園がおすすめです。

まずツツジ類ですが、早咲きのシロゲンカイやヨシノが咲き始めています。

噴水広場付近にてポツポツと咲いているようです。


ミツバツツジはまだまだこれからですね。つぼみが膨らんで生きている程度なので気温にもよりますが後1週間後くらいでしょうか。


ベニバナアセビも見ごろを迎えています。噴水広場付近と花の斜面上部では特有のつぼ型のお花がたくさんの虫たちを引き寄せています。
風の強くない日であれば早くも虫網を持って昆虫採集が楽しめそうです。どんな虫が来るでしょうか?


例えばキタテハは越冬性の蝶であり、この時期にミツマタやベニバナアセビでよく見つかります。
越冬性で長生きしている種類か、春の気候で羽化した新成虫の蝶が見られます。
新成虫の例ではコツバメがよく見られることがあいかわ公園の魅力でしょうか。

コツバメは一年の内春のみ見られるシジミチョウの仲間で、寒い時期に出るためか毛深く、落ち葉や枯葉に紛れる茶色をしています。
見た目は地味なのですが、翅の裏側は大変美しい蝶です。飛翔時しか翅は見れないのですが、濃紺のような金属光沢があります。

あいかわ公園はコツバメの隠れたスポットなので、知っている人はカメラを持って撮影に来ていたりしますね。


テングチョウも越冬性の普通種ですね。この蝶は暖かい場所によくやってきます。ミツマタを始めとするお花の付近で探してみれば簡単に出会えるかと思います。低温と風に弱いのでそれらの条件を避けたら遭遇できると思いますよ。

春らしい雰囲気をたくさん感じられる頃合いになってきたので、自然を味わいに来てみてはいかがでしょうか?

ツツジの時期に突入するので開花情報などを今後更新していきます。

雪のあいかわ公園 南山

雪の日に少し違うハイキング


本日神奈川では雪予報が出ていました。山地よりのあいかわ公園では標高差によりはっきりとした雪のラインが現れます。
風の丘から高取山の方を見てみると山の上部分およそ500mラインを境目に雪が積もっている様子でした。
こんな日はスリップしない装備を身に着けてハイキングしてみるのも楽しいものです。
(私は慣れているので長靴で登りました)


登山口から入って早々麓からも見えたガスのエリアに入りました。車などで霧があると怖いものですが、しっかりした登山道で道迷いの心配がなければ中々にワクワクできるシチュエーションです。木の根が滑りやすいので状況に夢中になって滑らないように気を付けながら丁寧に進んでいくのがおすすめです。


今回の雪は降水が弱いので標高の影響をよく受けているようです。300m程度の付近から積もり始めている様子が見られました。
普段見ている景色が白くなっているだけで違う場所のように見えます。
植生が標高と共に変化していくように自然現象である雪もまた標高による気温の変化によって姿を変えます。
気温は100mで約0.6℃違うと言われますが、麓気温が1.6度程度の予報である今日の様な日はまさにその標高差を観察するチャンスなんです。


山中の雰囲気は雪山です。ガスにより周囲が見えないことで標高を感じられません。
南山は500mちょっとの低い山なので安心感が高いですが、より標高の高い場所ではかなり怖そうな雰囲気です。
特に山中など暗く、雪が積もると先行者の跡や簡単な道が消えてしまいます。そのため雪山に行くのはかなり覚悟がいるというのが個人的な視点です。
雪山の雰囲気を味わいたいという方には南山はぴったりです。


今回は木の幹や枝先に雪が積もっている程度で地面にはあまり積もっていませんでした。おおよそ3㎜程度でしょうか?
2月の頭の雪では同じ場所で6㎝程度積もっていたのでずいぶん違います。
雪が積もるとこうした人工的な階段は雪が斜めに積もってかなり滑りやすくなります。今回はかなり上りやすかったですね。


雪のピーク前に登り、鉄塔付近でこんな感じでした。地面にこそ雪が大してありませんが、見渡してみると枝ぶりなどは真っ白であり、雰囲気を味わうには最高の雪模様でしたね。

南山は普段宮ヶ瀬ダムや橋本方面に近いのでそこからの音がよく入ってきます。
雪の日は音もなく人気もない、ただただ雪が流れていく様を静かに観察することができ、とても落ち着きます。
ヘリや飛行機、鳥たちも囀っていないので静寂しています。


この日は人にも会いませんでした。雪が降った後は山に登りに来る人がいます。しかし雪が降っている最中となるとやはりなかなか大変なのかもしれませんね。南山には写真の鉄塔付近に東屋がありますので、吹雪いていなければ雪を避けながら持ち込んだ食事など楽しめます。

今年の機会は少ないかもしれませんが、雪の日ならではの楽しみが満喫できるので興味のある人にお勧めできます。
スリップにだけは十分注意しましょう。

あいかわ公園で発見されたシイタケを展示中

パークセンターにシイタケ出現中

現在パークセンターで木から生えているシイタケを展示しています。日々成長しており、シイタケがなくなるまでの期間限定展示です。

シイタケはスーパーなどに並ぶ食材として人気が高いものです。しかし自然界でシイタケがどのように生息しているのか?を観察する機会は多くはありません。

そもそもシイタケとは何でしょうか?

エノキタケがエノキに生え、マツタケが松に生えるようにシイタケはシイ(どんぐり)の木に生えるキノコであることが由来であると考えられています。

皆様が日々食べるシイタケの部分というのは子実体(しじつたい)と呼ばれる胞子を飛ばしていく部分です。

ではキノコの部分が本体でないならば彼らは何なのか?と聞かれれば木材を分解する菌類であると言えます。木材を分解する菌類は自然界中に幅広く生息しています。彼らが持つ優れた能力の一つに難分解性の植物細胞を分解する力があります。

例えば落ち葉は秋にとても厚く堆積しますが微生物により分解されて木々や土中の栄養分としてまた循環していきますよね。加えて植物が落とすものとしては枝や枯損した幹なども含まれます。

こうした難分解性の物質が大量に地表を覆ってしまえば地上は枝や枯れ木まみれになってしまいます。しかし実際にはそうはなりませんよね。

枯れ木を分解し養分を再び土壌に返すのがシイタケを始めとする腐朽菌(ふきゅうきん)の仲間たちです。シイタケの本体はシイタケの可食部が出ている木材の中に白い菌として存在しており、枯れ木に含まれる栄養分を分解しながら3年ほどの月日をかけてようやく我々が食べるシイタケが出てきます。

冬の食材として重宝するシイタケにこんな側面があるとは驚きですよね。そうした木々を分解して出てきたキノコの姿をそのまま展示していますので、興味のある方はお早めにパークセンターまでお越しください。

冬芽観察が楽しめる冬のあいかわ公園

冬のあいかわ公園で何を見る?

1月に入り冬らしい気候も感じられる日々が続きますね。
あいかわ公園の木々たちもすっかり葉を落としてしまい園内は寂しい雰囲気が漂っています。

そんな雰囲気の中だからこそ楽しめるのが冬芽の観察ですね。

冬芽の違いをよくみてみよう


冬芽には色々な種類が見られます。しかし最初はそういった用語などに捕らわれずに純粋な違いを見ていくのをお勧めします。

下手に先入観を入れてしまうよりも自分の思うように感じたことを見ていけばいいと思うのです。

例えば上の写真はミズキという植物です。この冬芽は枝も芽も赤いのが中々にユニークですよね。

ミズキは雑木林の普通種であり、ちょっとした木々の環境があれば目にすることができます。

園内にはミズキ科の植物が複数見られます。これはクマノミズキという植物で、葉や花の雰囲気ともにミズキにそっくりです。

しかし冬の時期であれば2種の違いは初心者でもわかるくらい簡単に判別できますね。

クマノミズキの冬芽は黒く、そしてなんだ固そうな印象を受けるはずです。たくさんの冬芽を見ていく中で何が違うんだろう?という点に興味を持ち始めたならば植物的な名称を覚えていきましょう。

いくつか見やすい冬芽を紹介しておきます。

イヌシデは冬芽も大きく観察しやすい種類です。イヌシデの仲間も雑木林の普通種であり、冬は茶色い芽を付けています。
アカシデという芽が赤っぽい冬芽もあり、比較が楽しめる種類です。園内では冬芽を利用する虫こぶの生成も見られ、通常の芽と異形になった芽を見ることもできます。

ドングリの冬芽はボリューム感があって面白いものです。植物には上の方がより伸びやすいという性質があります。そのため幹の途中につく芽の数よりも幹の先端につく芽の数の方が多くなりがちです。ドングリの仲間はこの傾向がより強いようで、複数の可愛らしい芽がおしくらまんじゅうをするかのようにギュッと集まっています。可愛らしいのでお勧めです。

その他冬芽について聞いてみたいことがあればパークセンターの自然観察ガイドまでお尋ねください。
冬の自然情報などにもお答えします。

紅葉情報の紹介 短報


イチョウが見ごろを迎えています。今週末には黄色い絨毯が楽しめるのではないかと思います。
あいかわ公園のものは銀杏がならない♂株なので臭くなく、SNS映えを狙う外国の方が毎年よく来ています。
イチョウの葉をぶわっと投げて撮影していますよ。



公園で最も美しい紅葉は、花の森の上にありました。
あまりにも美しい深紅の紅葉です。付近には同じ種類のイロハモミジが多数あるのですが、なぜかこの1本だけ色が濃いです。
寒暖差の影響や日当たりの差は大きく違わないと思うのですがなぜでしょうか?不思議ですね。

風の丘付近にはドウダンツツジがあります。色付きはあまりのですが丸い形のものとは異なる姿をしているので、木らしい姿を楽しめます。

園内の紅葉は今日がかなり良い頃合いでした。今週末ではやや遅いかもしれないですね。美しい紅葉を見たい方は朝早い時間に来るのがおすすめですよ。