あいかわ公園自然観察ガイド

あいかわ公園で見つかった植物や昆虫などの自然情報を発信していきます。

花の周りがにぎやかです

花を観察していると突如としてブーンという羽音が聞こえてくる季節になりました。この時期に見かける素早い黄色い虫がビロードツリアブです。
反応が素早く写真を撮ることが難しい種なのですが、残念ながらパークセンターで死んでしまっていた個体でゆっくりみてみましょう。
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生きているときは羽が見えない位の速度で動きます。なのでブーンという音が結構大きく聞こえます。ビロードツリアブの質感はぬいぐるみのようにふさふさで、まるでマスコットのようです。
最大の特徴は口にあります。
よく見てみましょう。
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口が細長くのびているのが分かると思います。一体この口には何のメリットがあるのでしょうか?こんな細長い口じゃないと味わえない花があるのでしょうか?
ここで過去の記事に出てきた春の花を振り返ってみましょう。

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この辺りの花が分かりやすいでしょうか。
左からジロボウエンゴサクムラサキケマン、ヒメスミレでしたね。
花が細長くなっているため、普通の昆虫では花の奥にある蜜を吸うことができませんがこのビロードツリアブは細長い口を持つので蜜を味わうことができるのです。今の季節にはムラサキケマンの花の辺りやタチツボスミレの群生しているあたりでたくさん見られます。
探すのであれば冒険の森入口の斜面や風の子橋周辺の落ち葉を捨てる辺りのタチツボスミレに群がっていることが多いです。
虫も徐々に出てきているあいかわ公園を散策してみてはいかがでしょうか?

誰もが知ってるあの植物

春が近づき、誰もが知っているあの植物も咲き始めました。今日は知っているようで知らない植物の世界をお伝えします。
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名前を知らない人はいないのではないかと疑いたくなってしまう超有名植物のタンポポです。
今年すでに見た方も多いのではないでしょうか。
では、身近なタンポポには種類があるということはご存じでしたか?有名なのは日本のタンポポカントウタンポポ)と外国のタンポポセイヨウタンポポ)です。
写真の物は一体どちらなのでしょう? 実は簡単に見分ける方法があります。(カントウとセイヨウのミックスもあるため目安とお考え下さい)
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タンポポの花を見かけたら、花の下をのぞき込んでみましょう。花の付け根の部分が反り返っていればセイヨウタンポポ外来種の可能性が高いです。
カントウタンポポはこの部分が全く反り返りません。身近なタンポポをみつけたらひっくり返してみてください。

ところでタンポポの花はどこがご存じでしょうか?写真に写っている所ですか?具体的にはどのへんでしょう?
タンポポのこの球状の部分をお花ととらえている方は惜しいです。間違ってはいません。
タンポポの花が黄色の部分全体であるならば、タンポポの綿毛の形がおかしいと思いませんか?1つの花からたくさんのタネができてしまってますね。
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実はタンポポの花というのはこの小さな花の集合体なんです。破片じゃありませんよ! よく見てみてください。1枚の花にちゃんとおしべめしべがついています。この花の集合体なのでたんぽぽのタネは丸い形になるのです。
キク科の植物の多くはこのような集合した花をつけます。外で見つけることがあったらちぎって確認してみてくださいね。

タンポポの裏側をひっくり返しながら歩いているとついに見つけました!

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花の見た目はほとんど変わりませんが裏をひっくり返してみると? 反り返っていません! 先ほどの写真と比べてみてください。
タンポポの外国人たちの中から日本人を見つけることに成功しました。 ほとんどがセイヨウなので、カントウタンポポを見つけると嬉しくなりますよ。
挑戦してみてくださいね!

春の代表的な蛾

春といえば虫の季節なのですが、いよいよ大型の蛾がでてきました。
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桜の木などで見られるトビモンオオエダシャクという大型の蛾です。この蛾の幼虫は7cm近くの非常に大きなシャクトリムシなのですが、恐らく皆様はそんなに大きなシャクトリムシは見かけたことがないでしょう。それもそのはずで体が枝にそっくりなのです。幼虫の写真が無くて申し訳ないのですが、運よく見かけることでもない限り見つけるのは難しいです。興味の湧いた方は検索をしてみてください。

トビモンオオエダシャクですが、見た目の通り樹皮に体の色が似ています。そのため木にくっついていると見つけにくかったりするのですが今回はあいかわ公園の壁で見つけられました。やはり今の季節に虫を捕まえようと思ったときは壁が効率良いかもしれませんね。
シャクトリムシはシャクガの仲間なのですが、小型の蛾が多いです。その中でもトビモンオオエダシャクはかなり大きい部類に入ります。羽を開けば最大8cmになるものもいるそうです。今回見つけた個体は羽を開いていないので4cm位でしょうか。触角を隠していてかわいいですね。
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上から見てみるとかなり体が大きいことが分かると思います。頭の付近がぬいぐるみのようにふさふさなのは以前のアトジロエダシャクなどと同じようですね。
f:id:aikawa_park:20200314085154j:plainこちらがアトジロエダシャクです。
トビモンオオエダシャクはサイズが大きいのでわかりやすいですが頭の色に白と黒の線が入ることが分かりやすいですね。
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正面からはこのような感じです。触角が上から見た時と比べるとうまく隠しているのが分かりやすいと思います。
写真中央の触角付け根付近の白色があると思います。そこの下に人間でいう目の部分があります。
今の時期の蛾はまだ寒い時期なので動きも鈍く手のひらに乗せやすいです。蛾は一部毒を持つ者がいるので手にのせる際にはしっかりと調べてあげる必要がありますが、逆にしっかりと虫の事を知ってあげれば触れ合うたびに興味と愛着がわいてくると思います。
私も昆虫は全然詳しくないのですが、壁にあつまる蛾を調べていくうちに蛾の世界に踏み込んでみようかという気分になってきています(笑)
気持ち悪い気味が悪いと思う色眼鏡を取っ払い、虫たちと触れ合ってみると興味を持つ子供たちはとても多いです。
触れるか調べるのが億劫な方はぜひあいかわ公園の自然観察ガイドで生き物たちとの触れ合いに挑戦してみてはいかがでしょうか?
虫がもう少し出てきたら虫網をもって一緒に虫と触れ合いましょう!

釣りができそうな植物

花の斜面の奥のほうでは奇妙な葉がでています。
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手のひらをぱっと開いたような形にも見えますし、学校のイベントで使う飾りつけのような形にも見えます。上にぶら下げれば屋台ののれんのようにも使えるかもしれません。
この葉っぱは鳥の足に見立てられる形なのですがどうでしょうか? なんとなく鳥あたりの足に似ていますかね?
葉の形が特徴的な植物ですが花にも特徴がしっかりとあります。実は以前紹介したミミガタテンナンショウのお友達、つまりこんにゃくなどの仲間なのです。
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花を見て、まずどこに目が向きますか?形でしょうか。それとも色でしょうか?この花の最大の特徴は、長ーい釣り竿のような部分です。
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ミミガタテンナンショウでいうところの写真中央部分の棒です。比較してみるとなにやら写真外にまで伸びてしまっています。この部分を浦島太郎の釣り竿に見立てたのかウラシマソウと呼ばれます。
こんにゃくの仲間たちにはこの棒のような部分があるのですが、虫がこれを伝って根元にある本当の花にたどり着けるようにしているようです。
以前もお伝えしましたがこの花の本当の花は紫色の部分の内側にあります。
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この釣り竿は50cm位はあるでしょうか。不思議な植物です。あいかわ公園で不思議なこんにゃくのお友達たちを探してみてくださいね!

知らないと見つけられない花

あいかわ公園の森のわたり橋より先のエリアは、薄暗く入りにくい場所だと思います。そのエリアには少し変わった植物が生えています。

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葉の形からして皆様がイメージする葉と違っているのではないかと思われます。少し厚みがあり、光沢があったり、ホームベースのような形をしていたりと奇妙な点が多いですね。
実際のところ葉っぱだけで種類を見分けるのが難しい植物なのですが、ふと歩きながら見てみるとついに花の時期を迎えたようです。
f:id:aikawa_park:20200326090809j:plainまずはつぼみなのですがこの時点でどんな花が咲くか想像してみてください。 花なのに根元に付けるのがこの植物の面白い所なのです。地面すれすれに花をつけるため、この葉を見たことがあっても実際に花を見たことがある という人は少なくないかもしれません。
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これがランヨウアオイと呼ばれる植物の花です。 皆様が想像した花と比べるとどうでしょうか? とても地味 花なの? といった声が上がりそうです。
それもそのはずで、少し難しいですがこの植物は葉っぱが花のように見せかけているのです。身近なものではヤマボウシアケビドクダミ辺りが同じく花に見せかけた葉を持ちます。(かなりざっくりした説明です)

あいかわ公園ではランヨウアオイと、花の季節でないため確認できていませんがカントウカンアオイも見られると思われます。
葉を見てみましょう。

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写真右がランヨウアオイの葉の特徴です。葉の上部が外側に突き出しているのが分かりますか?
一方で写真左は上部が丸まっています。これはカントウカンアオイに見られる特徴です。 ただ個体差も大きいため一概には言えないのが難しい所です。カントウカンアオイは11月からが花の季節 ランヨウアオイは4月からが花の季節ということで花を確認すれば確実です。
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カントウカンアオイのいい写真がありませんでした。とりあえず付け根の色を見て白かそれ以外か 縦横の線が入るかどうか辺りが分かりやすいポイントだと思います。
この植物の面白い所は、地域差が激しい所です。あいかわ公園周辺のエリアではカントウカンアオイタマノカンアオイ、ランヨウアオイの3種が見られます。
ランヨウアオイは日本列島の山梨辺りを縦に走るフォッサマグナという地層の影響を受けた植物とされており、全国でも見られるのが神奈川、東京、山梨、静岡だけとされている不思議な植物なのです。地域ごとに変化したカンアオイの仲間たちも調べてみてください。ちなみにタマノカンアオイは、東京の多摩丘陵でしか見られないんですよ!あまりに狭い範囲だと思いませんか(笑) ピンポイントで形を変えるなんて不思議な植物です。

彩られる地面

日当たりのよい所はすっかり春模様です。より暖かい日向は暑い日に一気に花が咲きやすいです。
一方で日陰は毎年同じようなタイミングで花が咲くことが多い印象を受けます。
いよいよ日陰のほうも春の花たちが咲き始めました!今日は私の好きなスミレたちの紹介です!
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冒険の森より奥側のスギ林ではスミレが咲いています。しかしこのスミレは普通のスミレたちとは違うのです。
これはナガバノスミレサイシンと呼ばれる種類の恐らく白花種であると思われます。
シロバナナガバノスミレサイシンと呼ばれ、高尾山で見られることが有名かもしれません。
近場で見つけるスミレたちと違う点を挙げてみましょう。

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スミレの仲間には 距 と呼ぶ花の後ろ側に突き出た部分があります。スミレサイシンの仲間たちはこの部分が短くぼてっとしています。
左がスミレサイシン右がヒメスミレです。比べてみると全然違うのが分かると思います。
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葉の形にも注目してみてください。注目すべきはナガバノスミレサイシンの葉が、完全に開ききっておらず、一部巻いている所です。
スミレサイシンの仲間は花の時期に葉が完全に開ききらないものが多いです。中には葉を全く出さずに花だけを先に咲かせるものまでいます。
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花の中央に緑色の部分があるのが見えるでしょうか? スミレの仲間たちはここで見分けられるものも多いです。形を見てみてください。
まるでかまきりの頭のような形をしていますね。これもナガバノスミレサイシンの特徴の1つです。例えば公園内には似た色でうり二つのタチツボスミレが咲いています。
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花の中央を見てみるとどうでしょうか? タチツボスミレはこの部分が細い線のような形をしているのです。こうみてしまえば見分けるのが簡単ですね!
似た花だからこそ明確な見分けるポイントがあるのです! 皆様もぜひ足元に生えているスミレたちをじっくり見ながらあいかわ公園や家の近くを歩いてみてください。

落ちている花?

サクラの季節です。上を見ながら歩いている方も多いのではないでしょうか。ところがあいかわ公園の桜の木の足元を見てみると?
なぜか5枚しっかりとくっついている桜の花が落ちているではありませんか!花びらが1枚づつ落ちていくのが桜の散り時ですよね。
これはいったい何でしょう。
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近づいてみました。見事に5枚の花がそろっていますね。まだ花粉の受け渡しもしていなさそうです。形もとても綺麗で、古くなったわけでもなさそうです。
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裏を見てみるとようやく不自然な部分が見えてきました。
どうやら桜の花の根元がちぎられているようです。筒のような桜の花の根元にはいったい何が入っているのでしょうか。
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切り口を見てみるとどうやら湿っているようです。

ここで答え合わせをしてみましょう。実は桜の木にはたくさんの鳥がやってきます。彼らはお腹を空かせており、桜の花にためられている蜜を舐めにサクラにやってきているのです。
種類としては、朝にぴーよぴーよと大声でなくヒヨドリや、目の周りが白いメジロ、それからスズメがよく来ています。
舌が長いヒヨドリは花が付いたまま蜜を舐められるのですが、舌の短いスズメたちは蜜を舐められません。そこで力業に出るのです。蜜の出る根元をちぎり、蜜を舐める。そのため、根元が切られた桜の花びらがたくさん地面に落ちていたんです。

皆様も鳥の気持ちになって桜の蜜を舐めてみてください。当たりはずれがありますが、結構甘いですよ。