自然薯でおなじみのヤマノイモ
秋は食べ物のシーズンです。自然下においても様々な生き物が厳しい冬を越すための準備として果実を食します。
果実といっても植物の生存戦略は多様であり、ヤマノイモのようにクローンとして作られた部分が食べられるケースもあるのです。
今回は秋の野草でもっとも身近な食べものであるむかごを紹介します。
秋のヤマノイモの茎には写真のように黒っぽい球体の凹凸がある物体が付きます。
雰囲気としてはヤマノイモがなにか病気にでもかかってしまったかのような印象も受けますが、この秋のタイミングでは普通に見られるものです。
ヤマノイモの大きさによって大小あるものの、似た毒のあるものなどもなく比較的安全に食べられる自然の恵みです。
見た目は野菜で例えるならば何に似ているでしょうか?むかごを想像してみてくださいね。
見た目はイモ類に大変似ていますね。
イモが地下にできるのに対し、このむかごは茎に普通についています。
と言うのも、このむかごは新しい芽を出す部分に栄養が蓄えられて球状になったものなのです。
ヤマノイモはこのむかごをぽろぽろと落とすことで自身と全く同一のクローン個体を増やしていきます。もちろん花を利用した別の遺伝子の個体もありますよ。
そんな芋っぽいむかごの中身はどのようになっているのでしょうか?気になりますよね。ということで割ってみました。
むかごはイモっぽい?
外側は以外にもしっかりしていますが、一度裂けめが入るとシャキッと割れてしまいました。調理前のジャガイモにそっくりの感覚です。
せっかくなので味わいましょう。むかごは生でも食べられます。
感想としては生で食べるには青臭みが強いかなという印象です。しかしヤマノイモに特有のぬめり感はかなり楽しめ、好きな人な好きかもしれません。
だいたいむかごは加熱して食べるのですが、加熱した場合はおつまみのように食べられます。塩があればいいですね。
意外と悪くありません。
ただしヤマノイモに見られるあのイモ臭さはより凝縮されています。市場にも並ぶ可能性があるので興味のある方は探してみましょう。
秋の味覚むかごは今の時期に食べられる貴重な自然の炭水化物です。
自然の中では果実や葉などのビタミン類、食物繊維、魚や昆虫などからタンパク質は取れても炭水化物はなかなか取れないので、自然の中では貴重な食材ですね。
むかごはとても見分けやすい山菜ではありますが、見慣れていない方は口に入れることはやめておきましょう。
物によっては食あたりを起こしてしまいますからね。