あいかわ公園自然観察ガイド

嫌われがちな毛虫から大人気のクワガタたち、更には季節の植物まで。たくさんのあいかわ公園の自然を紹介していきます。ネタを見つけたら更新中。画像の無断転載は禁止です。

6月下旬のあいかわ公園の自然

6月のあいかわ公園で見かけた生き物など


蒸し蒸しする時期となりました。
公園の昆虫たちも夏模様。ヒカゲチョウの仲間が木々の周りを飛んでいる場面を見かけることが増えました。
目玉模様がかわいいですね。彼らは樹液を利用することもあるので、注意深く観察していると樹液にたどり着けるかもしれません。

ネムノキが咲き始めています。ピンクの毛髪のように全体が見えてとても面白いです。
アオスジカミキリというやや珍しいカミキリの食樹でもあり、園内のネムノキの枯損部ではこのカミキリによる加害と思われる痕が見られます。
夜行性のカミキリであるため姿を見たことはありませんが、美しい種類なので出会いたいものです。

ここ最近ではカブトムシやクワガタの死骸を見かける機会が増えてきました。夜行性の虫であるため、昼間に遭遇出来る機会はあまり多くはありません。
天敵であるカラスが多いため、多くが食べられているのでしょうね。カラスは頭がいいことで有名ですから、きっとこの時期はカブクワというご馳走があることを学んでいるのかもしれません。

樹液に昼間よく来ているカナブンの仲間

カナブンがよく出てくるようになりました。公園ではシロテンハナムグリ、カナブン、アオカナブン、クロカナブン、ムラサキツヤハナムグリなど同じように見えて色合いの異なるコガネムシの仲間がいます。カブクワの外れ扱いされがちなのですが、なかなかに面白いですよ。

シラカシにシロスジカミキリの産卵痕を見つけました。その後別の場所で死骸を見つけました。
シロスジカミキリはカシやコナラなどドングリの仲間に加害するカミキリで、横一列に傷をつけるという特徴があります。
近年姿を見る機会がとても減っていると個人的に感じる種類なのですが、園内では死骸とはいえ久々に姿を見ました。
ナラ枯れにより衰弱しているカシの木が出ているため、そういうものを利用しているのかもしれません。

地面に不自然な枯葉の様なものが立っていることに気が付きました。違和感を覚えるとやはりチョウ。
恐らくトラフシジミ夏型の後翅が捕食されたものかと思われます。トラフシジミは広い範囲で目にできる蝶なのですが、個体数は少なく、狙って出会うことが難しいシジミチョウの仲間です。この捕食された部位には目玉と錯覚させる模様と触覚のような尾状突起があり、鳥はそちらを頭部と勘違いして食べたのでしょう。

運良く生き延びたこのシジミチョウが次世代につないでくれると嬉しいものです。

このゾウムシはマダラアシゾウムシでしょうか。カエデの葉をガサガサしていたら落ちてきました。
全身がこぶ状に凹凸しており、迫力のある虫です。
非常に我慢強い虫で死んだふりをよくするのですが、過去30分以上継続したものもおり本当に死んでいるのか?と騙されたことがあります。

園内ではこのようにユニークな虫や虫たちの存在を示すサインが見られます。じっくりと観察してみてはいかがでしょうか。