あまりに大きすぎるカミキリムシ
夏の樹液は多くの昆虫たちのオアシスとなります。しかしその樹液は誰が出してくれているかというのはあまり知られていません。今日は樹液を出してくれる虫の1匹であるシロスジカミキリと言う昆虫を見ていきましょう。
こちらのカミキリがシロスジカミキリです。街中の雑木林などでも見かけることがある昆虫なのですが、最近は個体数が減っているようでなかなか見かけません。大きさは触角含まずに6cm前後とかなり巨大な種類です。あまりにも大きいのでちょっと怖い虫かもしれませんね。
グレーの背中に白や黄色が入る大型のカミキリムシはシロスジカミキリくらいなのでとても分かりやすい昆虫です。
カミキリの大きさはどれくらい?
サイズの比較として大人の指を試してみましょう。遠近法で指を大きく見せたりしているわけではありません。
このシロスジカミキリは日本のカミキリの中でも最大クラスの大きさで、同じく園内で見られるクワカミキリやミヤマカミキリと並ぶ巨大種なのです。
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カミキリの仲間は木を齧り産卵するのですが、その際に顎を利用して木を削ります。その顎はとても強力で、人の指ですら噛まれると血が出ます。この点は扱いに注意が必要ですね。
また、彼らの持つ複眼は非常に大きく、人の気配などに敏感に反応します。小型種は特にこの傾向が強いように感じます。
顎の向きも重要
鋭い顎が特徴のカミキリですが、その顎が前に出るものと下を向くものがいます。これは食性などが関係していると思われますが、成虫のカミキリは葉の一部や木の皮、幹などを齧って食べます。シロスジカミキリは顎が下を向くタイプです。
こちらのミヤマカミキリは顎が前を向くタイプですね。基本的には下向きの種類が多いのですが、1つ見分けの参考に使えるポイントとして紹介しておきます。
そして最初に伝えた通りこのシロスジカミキリは虫取りをする上では欠かせない樹液を出してくれる貴重な存在です。このカミキリのかじった痕はかなり特徴的なので覚えておくと虫取りに役立つでしょう。
このように横一列に噛みながら木に産卵します。ふれあい広場では今年もこのかじった痕があり、幼虫が孵化すると木の中に潜り込みます。すると樹液が出てくるというわけです。
そして開いた穴から樹液がにじみ、そこをハチやカナブンなどが広げることで樹液に集まる虫たちが集まります。
シロスジカミキリのいない環境では樹液も見つかりにくいため、雑木林にいなくてはならない存在なのです。
この痕を見つけてクワガタ採集に挑戦してみてください。最初は難しいですが慣れると簡単に分かりますよ。