あいかわ公園自然観察ガイド

嫌われがちな毛虫から大人気のクワガタたち、更には季節の植物まで。たくさんのあいかわ公園の自然を紹介していきます。ネタを見つけたら更新中。画像の無断転載は禁止です。

ハチにそっくりの黒と黄色の色合いをしたカミキリ、オオヨツスジハナカミキリ

ハチのように見えて実はハチではない虫たち

パークセンターの壁のように直立した場所は、甲虫がぶつかりやすく色々な虫を見ることができるポイントです。壁に目をやると蜂のような虫が来ているのを発見しました。黒と黄色をしています。


このような姿をしていました。皆様はカミキリムシと言う印象と蜂という印象のどちらが思い浮かびましたか?

私が見つけた時のように蜂の印象を受けた方も多いかもしれませんね。

カミキリムシ、ガ、アブの仲間などの一部の種類は、ハチのような危険な生き物に姿を似せているものがいます。
こちらのオオヨツスジハナカミキリも、黄色と黒の警告色で危険だとアピールしています。

オオヨツスジハナカミキリは毒を持つ?発生木は?


ハナカミキリの仲間は名前の通り花に集まります。
花粉を食べるおとなしい虫で、刺したり毒を持ったりすることはない種類です。見かけた時には安心して触れますね。

食べているものは花粉や花の蜜で、それを聞くと身近にいそうに思います。しかし彼らの発生する木が曲者です。

山のやや上に自生するモミと言う木が必要です。彼らはモミの枯れ木に集まる昆虫なので、見かけようと思うとモミの木がたくさんあるような環境に行かないと出会えないのです。時期も暑い7月8月に限られており、その時期に山に行く人は少数ですよね。一方で公園の周囲にはモミが結構生えているので園内で過ごしているとたまに出会います。

オオヨツスジハナカミキリの顎に注目

以前出てきたカミキリムシの仲間は多くが下向きのあごをしていましたね。
aikawa-park.hatenablog.com
カミキリは種によって食べるものが異なるのですが、樹皮や葉脈など木に張り付いて真下を齧る必要のあるカミキリは下向きの顎が有利なのでしょうね。

ハナカミキリの場合は口が前を向いていた方が蜜を吸いやすいため、多くの種類が写真のように前に突き出る口を持つようです。

樹液や蜜などを舐める種類の場合昆虫ゼリーで飼育も可能です。

このように一重にカミキリと言っても実にいろいろな種類がおり、種類ごとに利用する木がある程度決まっているなど面白い昆虫なのです。

普段皆様が蜂だと思っている生き物が実は蜂ではないかもしれません。もちろん判断できずに捕まえるのはお勧めしませんが、葉に止まったりゆっくり見られるときにはハチの先入観を捨てて観察してみてはいかがでしょう。

最後に名前の由来の4つの大きなスジを見ておきましょう。可愛らしいですね。


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