初夏の野外でひときわ目立つ花と言えばこのネムノキで間違いないでしょう。
白と赤色のお花はとても爽やかな印象を与えてくれますよね。
ここで質問なのですが、上の文章を読んでいて実はおかしなところがあります。一体どこだと思いますか?
実は白と赤色のお花と言う部分は間違いなのです!
ではこの部分はいったい何なのでしょうか?その答えは間近で見てみると簡単にわかってしまいます。赤色の部分を近くで撮ってみました。
これがネムノキの赤色の部分です。
先端に注目してみたのですが、なにやら丸いものがくっついていますね。この部分はなんと花粉が付いています。
ということは皆様が花だと思っている部分は実は雄しべだったのです!遠目から見たらどう見てもこの部分がお花ですよね。
となると次の疑問が浮かび上がってきます。ではネムノキの本当のお花はどうなっているのでしょうか?
この全体写真の中のどこかにネムノキの本当のお花があります。赤い部分が雄しべなわけですから、雄しべをたどっていくとたどり着くのは...
この部分ですね。
よく注目してみると緑色の部分が5つに分かれています。
つまりネムノキは5枚の花弁を持つ緑色のお花であったわけですね!
ここで植物知識を持っていたり、このブログを読んでくださっている方の中には度々登場するガクが頭をよぎった方もいるかもしれません。
そんな時には花の根元もしっかり確認しておきましょう。
写真左側の緑色が濃い部分がガクです。
このことも5枚に分かれている部分が花であることを証明していますね。ガクは1つの花を支えるものなので花1つ1つにつくのです。
もし苞である場合はこの部分に付きます。
丁度写真の黒い物体がある辺りにすべての花を支えるように付きます。
苞とガクの違いがイメージできたでしょうか?このポイントが分かるとドクダミの白い部分やヤマボウシの白い部分がガクではなく苞である理由が分かるようになりますよ。
ネムノキはマメ科の中でも変わったお花を持つ面白いお花なので今の季節にぜひ探してゆっくり観察してみてくださいね! 風の子橋や石小屋ダムの方面で見ることができますよ。