樹液に集まる昆虫を探していると辺りで何やらバサッバサッと羽音が聞こえました。鳥にしてはやけに重そうな羽音を探しているとその生き物は目の前の樹液に止まったのです。
こちらの蝶は、図鑑などで姿を見たことはあっても実物をなかなか見ることができないオオムラサキと言う蝶です。
羽の先をもともとケガしていたのですが、網で捕まえた際に暴れまくってしまったためさらに羽が欠けてしまいました。バサバサバサとプロペラのような大きな羽音がするほど力強いはばたきのため、虫網のような狭い所に入れておくとすぐに羽にダメージが行ってしまうようです。このポイントは大きな蝶を捕まえる際の課題になりそうです。
オオムラサキと言えば名前にもあるように非常に綺麗な紫色の羽が特徴的です。♂の羽の表側には美しい紫色の世界が広がっています。
実物を目の前で見てみるとやはり図鑑では味わえない感動がありますね~!白い丸模様が紫色の世界に星のように散りばめられているようで吸い込まれてしまいそうです!
大きさが伝わらないと思いますが大人の手の幅くらいの大きさがあります。
ちなみにオオムラサキの外側の羽はこのような色をしています。白もしくは銀色のような非常に地味な見た目をしていますよね。野外で見つけたらオオムラサキだと分からなさそうな雰囲気をしています。でも大丈夫です! 間違いなく「ええ!?なんだこの大きさは!?」と驚かれるくらいには大きいです。雌は模様はこんな感じですが黒いのでオオムラサキだと分からないかもしれませんね(笑)
では手につかんでみようと思います...!
今回は暴れることが分かっていたのであらかじめ密閉した室内で放し飼いのようにしての挑戦です。4回くらいは部屋の中に逃げられ、オオムラサキが飛び回る空間を堪能しました(笑)プロペラのような音が響き渡ります!
意外とぎょろりとした目をしていますね。この大きさなだけあって非常にストロー(口)も大きいです。やっぱりぬいぐるみのようで可愛いですね!そして先ほども述べたように羽を開くパワーはなかなかのものです。
そして手にのせてみました!
手をつかむ蝶の足が力強いです。穏やかに止まる姿、優雅に羽を広げるしぐさ、目の前で見ていると樹液でスズメバチを追い払うこともあるというのも納得です。いや~感動ですね!外では絶対こんな挑戦はできません。
オオムラサキの幼虫はエノキという植物の葉を食べ、冬場には木の下にたまった落葉の裏で冬を過ごします。ですのでそのような環境がないと生きていけません。あいかわ公園のオオムラサキ保護区で冬に調べてみたところ、似た幼虫は見つかったものの、それは競合相手のアカボシゴマダラでした。
右が頭で4個ある突起の内1つ目と3つ目が大きいのがアカボシゴマダラの特徴です。オオムラサキは突起が4つ全部大きいです。
しかしこうして樹液にいてくれたということは保護区の意味もあったということなのかもしれませんね。
遭遇するには運が必要で、あいかわ公園では滅多に出会えないとは思いますが目にする機会があれば大切に観察してあげてください。
ケガをしてしまったのは心配ですが、飛ぶのには問題なさそうだったので元気に公園の自然の中で生きて行って欲しいですね。
私の1つの憧れであった野外でオオムラサキを手にのせて見たいという光景も実現できたので大変うれしい一日となりました。
aikawa-park-sanyasou.hatenablog.jp
山野草図鑑 黄色にトキリマメ、ゴーヤ 赤系色にアメリカオニアザミ、ミズヒキ、ヤブガラシを追加しました。
公園で見られるお花を色から探し出せる図鑑です。ぜひこれらを利用して散歩など楽しんでください。