あいかわ公園自然観察ガイド

嫌われがちな毛虫から大人気のクワガタたち、更には季節の植物まで。たくさんのあいかわ公園の自然を紹介していきます。隔日朝8時に更新中

砂利でも育つピンクの花の植物  「外来種」アレチヌスビトハギ

植物の名前と言うのは時に見た目のままが名付けられることも多いのですが、なかでもヌスビトハギと言う植物の種はよくもまあいいセンスで名付けたなぁと感心してしまいます。ヌスビトハギはあまり見る機会がないのですが、アレチヌスビトハギは最近頻繁に見かけるので身近な所でも見ることはできるかもしれません。ただしタネには盗人のような特徴は見られません。
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花はこのような形で、マメ科らしい花ですね。マメ科の花は写真のように大きな旗のように立ち上がる1枚の花びらと、前に飛び出るもう1枚の花びらからなります。基本の形がこれなので覚えておきましょう。分からないときには先ほど説明した2枚の花びらの隙間にある目のような模様を参考にするといいですよ。
このアレチヌスビトハギにはたくさんの面白い特徴を見ることができます。
まずはマメ科の花粉を運ぶ戦略を見てみましょう。
先ほどの目の模様のように花の中で目立つ模様と言うのは時折見られます。ネクターガイドなどと呼ばれ、虫に蜜のありかを教える模様なのですが要するにこの花はここに虫を誘っています。
ここに虫が乗ることでマメ科の花が変形します。
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私の手を虫のように花弁の上にのせて下に引っ張ってみました。するとこの包まれた場所からはおしべの塊が出てきました。しかも上側を向いていますね。虫が乗ることで花弁が移動し、虫の体に花粉をつけるという戦略をとっています。マメ科の仲間では写真のようにおしべが束のようになっています。
恐らく桜の花などとは異なり、一カ所に花粉をまとめたほうが受粉する上で効率がいいのでしょう。
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さらに拡大してみました。おしべたちの中でも一緒にあるめしべは、自分の花粉で受粉しないようにおしべよりも長くなっています。多くの花で見られる戦略ですね。
そして受粉に成功すると豆ができるのですがこの豆もヌスビトハギとは違います。ヌスビトハギは2つのタネをつけ、これが抜き足差し足の姿に似ていることが名前の由来なのですが、荒れ地の場合種は4つほど付きます。
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そしてヌスビトハギの由来の抜き足差し足要素はありません(笑)代わりと言っては何ですが見ての通りかなり細かな毛が生えており、動物の毛などに付着して種を飛ばす性質を持っています。つまり、泥棒に入ってきた人にたくさんのタネが付くわけですね。畑などに侵入した泥棒にたくさんつく豆と考えるとアレチヌスビトハギと言う名前もなかなかに面白いものだと思います。 開けた場所から林縁までいろいろな場所で見られる外来種なので皆様も探してみてはいかがでしょうか?