普段見ているような場所でも視点を変えてみてみると思わぬものが発見できるものです。
特に苔類を探すとなると、これまでの草を探すものとは異なる目線で探してあげないといけません。
山の中を移動しながら視点を変えてみると、とても素敵な苔を発見しました。
こちらはタイトルにもあるスギゴケの仲間です。恐らくコスギゴケではないかと思われます。新しくむき出しになったような土の上でよく見られる種類なので、がけ崩れがあった後の地面や掻きだされた後の土、それから土の壁のような場所でよく見かける印象です。写真の通り苔自体がなかなかに大きいのですが、彼らの集団はとても大きいため濃い緑色の絨毯が作られます。
スギゴケの仲間はその名の通りスギと言う植物に似ていることから名付けられています。花粉ばかりが有名なので、意外とスギの葉がぱっと思い浮かぶ方は少ないのではないでしょうか?
こちらがスギの枯れ枝です。葉の雰囲気を見比べてみると確かになかなか似ていますね。実物を見比べてみるとさらに似ていますよ。スギの葉はかなり独特で、少し上向きに細長い葉が伸びるのですが、それがまさにこの苔の葉の雰囲気とうり二つですよね。名付けた方はよく気が付くなぁと思います。
拡大して撮影してみました。スギゴケの仲間は見ての通り苔1つ1つがウニのようにしっかりとした主張をしてくれるので、敷き詰めるような形で庭やテラリウム(コケなどを使って自然を再現する)などに使うことができます。他の苔が高い密度になるのに対して、結構ふわりとした印象を与えられるのがいい所なのかなと思いますね。
こんな感じのびっしり生える苔と比べてみるとゆったりとした感覚とふわっとした印象が伝わりませんか?
苔の仲間は意外と種類によって好き嫌いが分かれているようで、身近な種類であれば少し歩いてみるだけでも「お、ここは○○コケありそうだな」と分かるようになってきます。春の芽生えのシーズンで足元を見やすくなるこれからの季節には、もう少し顔を地面に近づけて苔たちの暮らす小さな世界を覗いてみてください。