12月~2月にかけてフユシャクと言う冬に現れる蛾を探していました。見られる種類がどんどんと移り変わっていく面白かったのですが、彼らの時期もおしまいです。それと移り変わるように可愛らしい蛾たちが見られるようになりました。
恐らくヒロバトガリエダシャクではないかと思われる蛾なのですが、この姿は本当の姿ではありません。コンクリートなどの物に擬態するための姿なのではないかと個人的には思っています。
蛾と言えば大きな触角に丸い大きな複眼が特徴的ですが、そういったものが見られませんよね。
この姿をつついてあげると慌てて移動モードに入ります。
するとかわいらしい姿を見せてくれます。
1枚目ではまるでドクガの仲間かのようなとげとげしい印象を受けていた毛も、この姿になるとぬいぐるみのようなフワフワしたものに見えますね。
蛾の記事では毎回言っているような気がしますが、この絨毯のような質感が癖になるのです。
光によく集まる蛾の仲間はコンクリートやレンガなどの物体につかまっているのをよく見かけます。
細い足でどのようにつかまっているのか気になるところだったので少し拡大して撮ってみました。
足はやはり細いですが、先端にカブトムシたちと同じようにフック状の部分があることが分かります。人間の肌などにつかまれるのは分かるのですが、これでコンクリートの凸凹にしがみついていると考えるとなかなかにすごいですね。
ロッククライミングしているときのようなギリギリの感じになりそうです。
この姿が一枚目の触覚を隠しているときと、移動中の姿の変更タイミングです。
この姿で腕立て伏せのような行動をして触角を綺麗に内側にしまい込みます。技を仕込んだ動物を見ているようで感心してしまうのですが、私はこの動作が好きなのでまたつついて起こしてしまうんですよね。
その結果どこかに飛んで行ってしまいました。
ヒロバトガリエダシャクと思われるこの蛾は、一年の内3月と4月の短い期間にだけ現れます。食わず嫌いせずに触れ合ってみると、これまで知らなかった興味を持てるかもしれませんよ。