真冬でも探せる虫と言えばフユシャクの仲間!
フユシャクは普段の生活では聞くことの無い名前と言えるでしょう。
名の通り冬になると現れる蛾なのですが、この時期は寒すぎで昆虫が動けません。動いていないので探すには彼らが好む木を探してあげる必要があります。
イチモジフユナミシャクの♀探しに挑戦
身近な桜の木で探すことができるフユシャクが、イチモジフユナミシャク(と思われる)です。
先に述べた通り冬場は寒いのでフユシャクもほとんど動きません。さらに♀は蛾であるにもかかわらず翅を持ちません。
動けなければ他の獲物に食べられてしまうのが自然界ですね。そこで彼らは知恵を働かせたのです。
サクラの木に生える地衣類と言うものがあります。
サクラを見るとあちこちに生えており、イチモジフユナミシャクはこれらに擬態しています。
この擬態がとても見事であり、意識して探さなければまず見逃してしまうくらい隠れています。
フユシャクの擬態に挑戦してみよう。
では引き気味の写真から挑戦してみましょう。皆様が桜を見るときはこれくらいの距離感で見ることが多いと思います。
こちらは苔の中なので簡単に見つけられますよね。
サイズ感や質感をこちらで覚えておいてください。では本番です。
これは相当難しいはずです。しかし写真の中に1匹のイチモジフユナミシャクが隠れています。
分かりましたか?
少しエリアを狭めてみましょう。
こんな感じです。目を走らせると分かりましたかね?
正解は大きな画像の左下。狭めた写真では中央辺りにいます。色合いと模様が幹の地衣類とそっくりですよね。
こちらがフユシャクの♀の姿です。
イチモジフユナミシャクの場合翅は一部退化しており飛ぶことはできません。フユシャクの中には完全に退化しているものもおり、その姿は陸生のヤゴのような姿をしています。かわいいですね。
飛べないならどうやって命をつなぐ?
フユシャクの♀は飛べませんから歩いて移動することになります。これは大変力を使うことなので彼らは大移動はしません。
一方で♂には翅が生えています。
写真は種類が違いますが♂のイメージです。
ですから動けない♀がフェロモンを出して♂に来てもらい交尾をするという戦略を取ります。
冬場に車や外灯などの明かりに来ている蛾がいたら、フユシャクの仲間かもしれません。蛾なのに翅がないというユニークなフユシャクの仲間を探してみてくださいね。
昆虫に興味が湧いた方は昆虫図鑑も活用してみてくださいね。冬なので出番はあまりありませんが。