街中で大型のアゲハを発見? 色はオレンジ!
夏の猛暑が終わると一部の虫たちが再び活動を始めます。タテハチョウという仲間は夏眠(かみん)と言って暑い夏に活動をお休みし、秋初めにまた出てくるのです。
そんな蝶の中で最も身近なのが今回のツマグロヒョウモンです。
今回はこちらのヒョウ柄が可愛いツマグロヒョウモンを見ていきましょう。
実はアゲハチョウではないオレンジの蝶
大型の蝶=アゲハチョウという認識の方は多いかと思います。しかし自然界にはいろいろな蝶がいます。特にこのヒョウモンの名付けられた蝶は大きいのですが、タテハチョウというチョウの仲間になります。
その中でもツマグロヒョウモンは市街地でも見られる種類なので、ヒョウ柄を見かけたらまず疑ってみましょう。
よく見かけるツマグロヒョウモンの♀です。ツマグロの名の通り翅先が黒くなるというユニークな特徴があります。沖縄のほうにいる毒蝶に擬態しているんですね。(カバマダラという)察しのいい方はピンときたかもしれませんが、もともと沖縄や九州などの暖かい地方にだけいた種類です。
ツマグロヒョウモンが街中にいる理由
秋口には建物に囲まれたエリアでもこの蝶を見ることができます。つまり食草が市街地にもあるようなものだということですね。
こういう場合は自生種ではなく園芸種を疑いましょう。ツマグロヒョウモンはスミレの仲間を食べる昆虫です。
写真のタチツボスミレを始め、自然下のスミレは草地環境に生えています。草地環境が減るとともに自生のスミレ類を食べるヒョウモンの仲間も減少しています。一方で街中ではビオラやアメリカスミレサイシンといった園芸のスミレが植えられています。
ツマグロヒョウモンはそれらを利用して生存しているのです。
ツマグロヒョウモンは♀と♂で模様が違うチョウ
産卵のために、より生存時間を長くする必要がある♀だから擬態しているのかと推測してしまいます。飛翔にも違いがあり、♂は俊敏♀はゆったり模様を見せつけるように飛ぶんですよね。
同じ種類でも様々な違いがあり面白いものです。
ちなみに羽の裏側はこのようになっています。ヒョウモンの仲間はどの種類も本当に似ており、この裏側の翅の模様が重要な見分けポイントになるんです。
わずかながら例を挙げてみましょう。
このようにそっくりなので翅の裏側を見たいんですね。
ツマグロとウラギンなのですが、表よりずっとわかりやすいでしょう。
今日はこの時期から見られるオレンジ色の蝶を紹介しました。チョウたちにもそこにいる理由というものがありますので興味のある方は目を向けてみると楽しいと思います。
また、蝶はものによって春型夏型などで時期により模様や色の濃さが変わります。蝶々を見かけたら模様の違いなどに注目してみると面白いと思いますよ。
蝶についてさらに知りたい方は、あいかわ公園のガイドに話しかけてみてくださいね。