クヌギやコナラの木が茶色く変色し問題となっています。
あいかわ公園周辺でもここ数年話題のナラ枯れの被害が続いています。街中などで山や公園の木々に目を向けてみれば、真夏なのに紅葉している異常な光景が目に入るはずです。
紅葉なら可愛いものなのですが、これはブナ科樹木が水分を吸い上げられなくなったことによって、木々が枯れてしまっています。
これがナラ枯れと呼ばれる小さなキクイムシという昆虫によって引き起こされる現象です。
被害は主にクヌギやコナラを始めとするブナ科樹木に限られ、樫の木や椎の木などの同じブナ科樹木も被害を受けます。
あいかわ公園周辺の木々もここ3年ほどでほぼ全てのコナラが被害を受け、ふれあい広場などでは数本枯れてしまっています。
真夏だというのに葉がどんどん散っていき、見ていてなかなか辛いものがあります。
一体何が起こっているのでしょうか?
木をよく見てみましょう。ここは観察するのにうってつけです。
このナラ枯れの木の分かりやすい特徴は、木からあふれ出る大量の粉が分かりやすいです。
木の中に大量に入ったキクイムシが木を掘って出すものです。ひどい木では小麦粉をまぶしたような姿になります。
これに対処するために粘着テープを巻いて羽化した個体を捕獲するという策が行われていますが、規模があまりにも大きいので対症療法にしかなっていません。現実的にはキクイムシの好む木全てが攻撃されるまでは収束しないのです。
緑だった木もキクイムシが侵入して1~2週間ほどでこの様子です。
こうして内部で繁殖して翌年に大量に木から出てまた別の木を探し始めます。 樹木からすると恐ろしい相手ですね。
一方でポジティブに考えれば樹液の流出による昆虫類の増加や、枯れ木性昆虫の増加、太陽光の増加により林床の植物が増加などメリットも多いです。
特に樹液に関してはよく流れます。2mm程の非常に小さな穴なので事前知識がないと分かりにくいのですが、ハチ類を始めよく虫は来ています。
ここ2年ほどはこれのおかげかオオムラサキを観察する機会もとても増えました。
ナラ枯れを引き起こすキクイムシ。自然のつながりを知るにはとてもいいものだと思います。