秋と言えばいい声で鳴く虫たち
一気に秋中盤のような涼しさになり、園内ではあらゆるところで鳴く虫たちの声が響き渡っています。
その中でも有名な種類はコオロギでしょう。
コオロギの仲間は一種類しかいないと思っている方もいるかもしれませんが、鳴き声の違う種類がたくさんいます。
しかし、その声の大きさに対して体の大きさはかなり小さいため、音を頼りにしても見つけるのはなかなか難しいのです。
コオロギはこうした茂みの中に潜んでいます。
分かりやすいバッタのように飛び跳ねて出てくれればいいのですが、茂みに潜って隠れてしまうケースもあるため見つからないことも多いです。
この鳴き声を聞きながら場所を特定していくのがとても楽しく、自然と探す中で虫の声の聞き分けができるようになっていきます。
そんなところでよさげなコオロギを一匹捕まえることができました。
お面のような独特な形を見てみるとオカメコオロギの仲間のような気がします。
一般的なコオロギと言えば顔の丸い大型のエンマコオロギですが、この仲間の中には顔が三角形になるものがいたりオカメのようにお面のような姿をしたものがいるのです。個性があって可愛いですね。
コオロギの仲間の多くは乾燥した環境で飼育することができるので、色々試作してみましょう。必要とされるものは餌と水です。
餌に関してはご存じの通り野菜類を入れてあげると喜んで食べる傾向にあります
しかし彼らは雑食性であり、適度に動物質の物を入れてあげないと共食いをしてしまいます。
今回は熱帯魚の餌で野菜類や蚊の幼虫などがブレンドされた飼料を試してみましょう。
もう1つの問題は水です。コオロギの仲間は水分不足に弱いため、水が安定的に確保できるような状況を作ってあげたいです。
そこでお菓子のケースを利用してみることにしました。蓋を立ててお菓子ケースを斜めにし、その中に乾燥で枯れない程度の水を入れておきます。
その水をティッシュに付けて外部に出しておくことで蒸発することなく水を飲むことができる状況を作ってみました。
見た目は悪いですが飼料や糞を水浸しにすることがないのでなかなかいいのではないかと思います。
バッタ類はフンを大量にするので、草や土で自然環境の再現をすると掃除の手間が非常に大変です。 下に紙を引いたり落ち葉を引くなどの簡単な底を整えてあげる方が世話もしやすいでしょうね。私は落葉を入れてあげようかと思います。
動き回るコオロギを眺めているだけでも飽きませんし、食事をしているときなどは口元の触覚を手のようにうまく利用して食べるなど、飼育してみることで分かる発見もあります。
鳴く虫を捕まえてそのいい声をお部屋で聞いてみるのも面白いと思いますよ。