ツツジの花は昆虫観察のベストスポット
大型のヒラドツツジで賑わい始めたあいかわ公園ですが、ツツジ付近を歩いていると大きな羽音にびっくりしてしまいます。花にやってくるハナバチの仲間たちが花粉を求めてやってきています。
特に可愛らしいニッポンヒゲナガハナバチに注目してみましょう。どうです?可愛いでしょう?
ハナバチの仲間はハチですから刺激したりすると刺し返してくる可能性があります。
しかし服の中に入るなど事故が無ければまず刺されません。
正面から見比べるとミツバチに見えるかもしれませんが全体を見ると結構違います。
どうでしょうか? ミツバチにしか見えませんか?
であればハチの頭部にある触覚に注目してみましょう。この子は♀なので短いですが、それでもミツバチよりずっと長い触覚を持っています。
♂の場合さらに長く、名の由来の通りヒゲナガです。ミツバチよりもやや大きく、丸っこいため姿を捕らえられれば見分けられるはずです。
ニッポンヒゲナガハナバチは非常にマイペースな虫で、日向ぼっこをしているのか花や枝に止まってボケっとしていることがあります。
眺めていると写真のようにお手入れを始めたりもします。人間ぽいしぐさが現れると親近感がわきますよね。
ハチと植物
ハチは一般的には嫌われ者の印象が強いかもしれません。例の如く人への被害が多いスズメバチやアシナガバチの影響ですね。
皆様から恐れられるスズメバチも実際には幼虫などの昆虫類を捕食し、抑制する重要な虫です。
ではハナバチの仲間はどうでしょうか? 彼らもかなり重要な存在です。
花の中には昆虫や鳥に花粉の運搬を頼っているものがかなりいます。
モミジの下向きの花は花にしがみつける虫に運搬を頼むための技です。その他にもこの時期に目立つイチゴの仲間の花などを始め、多くの果物などの受粉に貢献しています。
こちらのニガイチゴはイチゴの仲間ですが、花粉を運搬してくれるものがいなければ美味しい実をつけることができません。
実がなくなれば園内のサルやアナグマと言った動物たちの餌の減少になりますし、甘い果汁を吸いに来る蝶などの生き物へも影響が出ます。 こうして考えるだけでも農業~生態系に大きく貢献してくれることが分かりますね。
蜜と花粉を得るハチと花粉を運んでもらう植物の関係
ハナバチの仲間は蜜を舐めたり幼虫のお世話のために花粉でお団子を作り持ち帰ったりします。
植物の多くは花の根元部分に蜜を貯めるので、根元まで入るか長い口を持つ必要があります。ニッポンヒゲナガハナバチは非常に長い口を持つようです。
分かるでしょうか?
私も最初理解できなかったのですが、セミを思い出すかのような非常に長い口を持っているようです。
今回はそのお手入れをしている場面に出くわすことができました。見たところ固そうな口の先からはブラシのようなものが出るのでしょうか? 甲虫のように蜜を舐めやすい形になっているのかもしれませんね。
ハナバチの仲間は農薬や薬剤の影響で数を減らしている種類です。ゆっくり観察しやすい虫なので遠目から癒されてみてはいかがでしょうか?
もちろんミツバチも同じ仲間なのでこの機会に観察してみてください。