あいかわ公園自然観察ガイド

嫌われがちな毛虫から大人気のクワガタたち、更には季節の植物まで。たくさんのあいかわ公園の自然を紹介していきます。ネタを見つけたら更新中

早春のムラサキケマンとそれを利用するビロードツリアブやウスバシロチョウ

身近にある植物達を意識することと言うのはあまりありません。

植物の中には特定の季節にのみ姿を現す種類がいます。
f:id:aikawa_park:20210327093248j:plain
3月の中旬頃だったでしょうか。ふと目を凝らすとムラサキケマンが咲く直前のものにでくわしました。

この写真を見れば「ああ、道端なんかで見たことのある植物だな」と思った方も多いことでしょう。
実際に春の時期であれば林の薄暗い場所で普通に見られる種類です。
しかしこの植物は生き物のつながりを見ていくうえでとてもいいサンプルになります。

春の咲く花の中にはムラサキケマンのように細長い形をしたものが多いです。これは花を訪れる虫と関係しています。
f:id:aikawa_park:20210327093719j:plain
3月~4月頃にかけて日当たりの良い所を歩いていると、空中に止まったかのように静止しているビロードツリアブと言う虫を見ることができます。羽音が非常に高音でぷ~ん↑というなかなか嫌な音を立てます。

もこもこで可愛いですね。
この虫はとても長い口を持っており、スミレや今回のムラサキケマンなどの長い花でも蜜を吸うことができる虫です。

この虫も春にだけ現れるのが面白い所ですよね。特定の虫に効率よく蜜を与え、花粉を運んでもらう花と特殊な長い口を持った虫が同じ時期に出るというのは不思議だと感じませんか?

f:id:aikawa_park:20210327094048j:plain
咲いた時の花の姿を見せていませんでしたね。花が咲くとこのように口が下向きで逆立ちした姿になります。
ケシ科の植物のいくつかはこうした面白い形をしており、平地では見られませんが黄色の物や青色の物などユニークな仲間がいます。

分かりやすい花の形なのでこの仲間は花が咲いていれば仲間同士が分かりやすいですね。園内ではムラサキケマンならたくさん見ることができます。

そして植物との関りで忘れてはいけないのが利用する虫たちですね!

このムラサキケマンにはウスバシロチョウと言うアゲハチョウの仲間が付きます。
f:id:aikawa_park:20210327094441j:plain
見た目からモンシロチョウの仲間かと思いがちですが、アゲハなんですね。
この蝶はあまり多い種類ではなく、平地ではあまりいない印象です。しかしいる所にはたくさんいる種類です。あいかわ公園は”いる所”なので5月頃にかけて多数のウスバシロチョウが飛んでいる姿を目にすることができます。

こうしてビロードツリアブやウスバシロチョウなどが春の間に利用し、夏の間にムラサキケマンは姿を消します。当然ビロードツリアブやウスバシロチョウも春以外見られません。

そして翌年の冬頃から小さな葉を出して春に花を咲かせるというのを繰り返しています。生き物と植物の関係と言うのは不思議ですね。