あいかわ公園自然観察ガイド

嫌われがちな毛虫から大人気のクワガタたち、更には季節の植物まで。たくさんのあいかわ公園の自然を紹介していきます。ネタを見つけたら更新中。画像の無断転載は禁止です。

茶色い小さなカマキリ、コカマキリ。腕にはかっこいい黒い模様が見られます。

カマキリだけど小型でとてもすばしっこいコカマキリ

カマキリの姿を思い浮かべてください と言われたらどんな姿を想像しますか?大勢の方がカマキリと言えば緑色で結構大きいオオカマキリを想像するのではないかと思います。

しかしやや数は少ないものの茶色い小型のカマキリと言うものがいるんです。
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それがこちらのコカマキリ。非常にかわいらしい一押しのカマキリです。

カマキリの大鎌は大人が挟まれてもかなり痛く、捕まえてみたら痛い目にあったという方も多いでしょう。

しかし小さいコカマキリの鎌は人の手は挟み切れないため安心して手にのせることができます。
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どうですか?とてもかわいいでしょう。

彼らは距離を取るために短くこまめに飛ぶため、忙しく行動しているように見える虫です。

コカマキリの一押しポイント

コカマキリのチャームポイントは鎌の付け根に付いた黒い模様です。
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体の大きさに対して非常に大きな模様が付いていて目立ちます。

見ると黒がメインではありますが、黄色やオレンジのような色合いも含まれていることが分かります。

他の身近なカマキリには無い特徴と言えますね。 
まあそもそもこの大きさですので種類を間違えることはないと思います。

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カマキリらしく立派な複眼を持ち、指の動きを察知して素早く逃げようとします。

ここまでこまめにはばたくのもオオカマキリなどでは見られない特徴ですね。体が小さい分距離を稼ぐには翅を使わざるを得ないという感じでしょうか。

大型のカマキリが苦手な私でもすいすい触れるのはやはり攻撃してくることがないからでしょうかね。

虫たちを眺めていると思うのですが、彼らはとても綺麗好きなんですよね。

暇があると体の掃除をしているように感じます。

特に触覚は匂いを感じたりするうえで非常に重要なのでよく手入れをしています。

カマキリの掃除を見てみよう

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どうでしょう?非常に人間らしい動きだと思いませんか?

左の触覚を掃除するために左の鎌で触角を手前におろして口で舐めているようです。私たちがドライヤーを利用するときのような感覚でしょうか?
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もちろん重要な鎌の掃除も大事です。

関節がどうなっているんだと思ってしまいます。人間は肘を顎に付けることができませんが、カマキリはつけられそうな体の動かし方ですね。いや肘ではないのでしょうか。
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彼らの動きは予測が不可能で眺めていて非常に面白いものです。

野外ではなくこうした透明のケースでじっくり見ているからこそこうした普段気にしない動きを発見できますね。
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小さくて可愛いコカマキリは街中でも見つけられるカマキリです。見つけた時にはちょっと手を伸ばしてその姿を観察してみてはいかがでしょうか?

ヒョウモンなのにヒョウ柄じゃない? ♀の翅が黒いメスグロヒョウモン

ヒョウモンチョウと言えば明るいオレンジ色?

秋の代表的なヒョウ柄のチョウは明るいオレンジの間接照明のような色をしているものが多いのですが、すべてがそうかと言われるとそうではありません。

もちろんその個体が生まれたばかりかそうでないかも重要なのですが、そもそもの色が違う種類もいたりします。
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この色合い(翅先の黒色を除く)のオレンジ感がヒョウモンの仲間の色合いです。

写真は今の季節にも目にすることの多いツマグロヒョウモンと言う蝶ですね。

秋に出る新品のヒョウ柄の蝶はほとんどこのツマグロだと思っても問題ありません。

しかしヒョウ柄=ヒョウモンの仲間と認識してしまうのはまずいです。その中の1種類メスグロヒョウモンという蝶は見た目が全然違うのです。

黒い姿のヒョウ柄のチョウ

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こちらがヒョウ柄じゃないのにヒョウモンと付くメスグロヒョウモンです。

名前の通り♀の姿が黒いヒョウモンの仲間なんです。

♂は先ほどのツマグロのような明るい色合いをしているのですが、♀は一見すると大型のイチモンジチョウの仲間のような姿をしています。
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とはいえ飛んでいる時から大きさが違うのでだいたい検討が付きます。

メスグロヒョウモンもこれまでに紹介してきたヒョウ柄の蝶たちと同じく数を減らしており、この秋は遭遇出来たのが2匹だけとかなり珍しいことが分かります。

花に来ていても♀であれば一目瞭然であるため見分けが簡単です。

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メスグロヒョウモンの♀は簡単に見分けられますが♂の場合やや厄介です。

この種類の判別は色だけでなく裏側の翅の模様も見ておくといいでしょう。♂♀に共通する模様を見ることができます。

特に分かりやすいのは翅の付け根側で頭の方に入る模様です。
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翅に潰れた明太子のような白い模様が斜めに入っていますね。

この形がメスグロヒョウモンと似た仲間を見分ける上で役に立つので覚えておいてください。残念ながら♂の個体には出会えていないので、♀だけの紹介となります。

初夏頃の綺麗なヒョウモンにも出会ってみたいものです。

壁の色そっくりの白と灰色のクモ、シラヒゲハエトリ。可愛い動きで人気のハエトリグモの仲間です。 

白い小さなクモがいたら

ハエトリグモの仲間は見つけやすく、めちゃくちゃ動きが素早いわけでもなく、こちらを攻撃してくるわけでもないので非常に生き物の観察におすすめの種類です。

特に彼らが見られる環境に注目してみると食物連鎖などの自然のつながりを覗いてみることができますよ。

シラヒゲハエトリ登場!

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今日も壁に来ているシラヒゲハエトリを見つけました。

壁にじっと張り付いて何かをしていることが多い印象です。

そして私に気が付くと顔をあげてこちらの様子を伺い始めるんです。可愛いですよね。

ライトにはハエトリグモの何倍もの大きさをした蛾がやってくるのですが、彼らはそうした獲物を狙っています。

必然的に明かりの多い場所で見つかることが多くなりますね。
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ちょっと大きめのヨツボシホソバ(クモの6倍くらい)であれば襲い掛かって食べてしまうでしょう。

見た目以上に大物をしとめることができるのです。 このヨツボシホソバも毒のある毛虫で面白いのですが、詳しくはこちらで↓
aikawa-park.hatenablog.com

シラヒゲハエトリの姿に注目

ハエトリグモなどを含めクモの仲間は気持ち悪がられる種類です。私もかなり苦手な種類なのですが、ハエトリグモは別なんですよね。
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シラヒゲハエトリは白いひげ状の毛が全身に生えているハエトリグモです。

もこもことした姿はぬいぐるみのようで可愛らしく、ピョンピョンと元気に飛び跳ねている姿は1時間くらい平気で眺めていられます。
 
非常に愛嬌のある行動が多く、写真のように正面を見ていた姿から私に気が付くと?
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このように目をこちらに向けてきます。

この動作が私は非常にお気に入りで、ハエトリグモを見かけるとつい近づいて指でちょっかいを仕掛けてしまいます。

ちょっかいを出していると大抵壁からジャンプして逃げるのですが、この時にようやくクモらしいを活用します。

お尻から1本の糸を出し、緊急用の逃走経路を確保するのです。

ハエトリグモの糸事情?

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動きが速いので撮れませんが、写真のお尻の部分から落下中だけ糸を出し、すぐに切るようです。

また、壁の移動中にも糸を出して落下事故に備えているようで、つついて落とすと大抵クモらしいつーっと落ちる姿を見れます。
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「よくも落としてくれたな」なんて言葉が聞こえてくるような顔の角度ですね。 

体を見てみると顔の触肢ももふもふですし、足も細かな毛だらけです。良く見つかる上に姿も綺麗といいこと尽くしですね。

園内の壁で見つけることができるハエトリグモの仲間たちは皆可愛いものばかりです。その面白い姿を自身の手でじっくり観察してみるのも面白いと思いますよ。

面白い動きが人気の可愛いハエトリグモ 背中に白い模様が入るチャスジハエトリに遭遇

壁などにいる小さなハエトリグモ

照明のある壁は多くの昆虫たちがやってくるため、肉食性の昆虫たちは明かりの周辺にやってくることがあります。

その中でも小さなクモの仲間であるハエトリグモは飼育している人がいる程人気の仲間です。

早速パークセンターの壁を見てクモたちを探してみることにしましょう。

壁を中心に探してみよう

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ハエトリグモの中でも屋内で見られるような身近な種類の物は壁を見ていくことで見つけられます。

彼らは色が壁にそっくりなので、保護色のように隠れているんです。ここに確実にいると思ってじっくりと探していきましょう!

すぐにハエトリグモを発見!

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白っぽい壁に白っぽい体のハエトリグモを発見しました。

頭の方に白い模様が入っており、全身に毛が多い特徴からシラヒゲハエトリであると思われます。

探したところ、園内では最もたくさん見られる種類のようですね。

ハエトリグモの仲間は♂♀で模様が違うことが多く、大きさも異なることから探す楽しみが多い種類ですね。

続々と見つかるハエトリグモ

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壁の上の方もじっくりと眺めて行けばシラヒゲハエトリが続々と見つかります。しかし見つかるのはこの種類ばかりです。

季節的にはまだまだ他の物も見られるはずなのですが不思議です。



おや?なにやら大きな子がいますね。
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背中に白い線が入っており、体の縁に白い線模様が入っています

この特徴に合致するのはチャスジハエトリです!

家の中などにも表れる大きめのハエトリグモですね。

立派なチャスジハエトリ

可愛いチャスジハエトリを眺めていきましょう。 

ハエトリグモの仲間は巣を張らないタイプのクモです。

その分獲物を捕まえるために動きが素早く、ピョンピョンと飛び跳ねる様に動き回るので見ていて癒される生き物です。
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クモの頭部を見てみましょう。 

クモの頭部には小さな足のように見える触肢(しょくし)が目立ちます。
(眼の下にあるボクサーが構えた時のような2つの触覚)

この部分がぴょこぴょこ動き続けるのが面白いんですよね。姿はブラシのようです。

この様子から触れたら攻撃されそうな印象を受けますが、攻撃するよりも逃げることを優先する生き物なので私自身噛まれたことはありません。

大きな眼はチャームポイント!

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そして頭部と言えば大きな眼も欠かせません。

ハエトリグモの仲間はその大きな目で動くものに対して非常に敏感に反応します。

特に正面の2つの眼が大きくなっており、印象としては車のライトのような見た目に見えますよね。

この大きな目は非常に動くものに敏感なようで、私の体感としてはトンボと同じ位反応が早いように感じます
壁で見かける時には他の虫を捕まえていることも多いですね。

クモはかなり嫌われている生き物だと思いますがハエトリグモは扱いやすく可愛いので、ちょっと興味のある方は探してみることをお勧めします。

サカハチチョウの夏型 飛んでいるときには同じタテハチョウのイチモンジチョウに見えるかも

あまり名を聞かない蝶

秋の豪快に咲く花の周りでは様々な蝶が蜜を吸いにやってきています。

この時期に多いのは夏眠から目覚めたタテハチョウの仲間で、ナワシログミカワミドリなどの香りの強い花にやってきています。

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(今年は咲くのが速く、どちらも既に終了)
山側に位置するあいかわ公園では図鑑位でしか名を聞いたことの無いような蝶が見られることもあります。
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(レッドデータ種ウラギンヒョウモンなど)

というわけでこれらの花のある場所で蝶を探索していると、明らかに小柄なイチモンジチョウのような蝶が現れました。
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飛んでいるときはこのイチモンジチョウを想像していましたが、捕まえてみるとやはりより小型でイチモンジではないようです。 

思い当たるその蝶の名はサカハチチョウ

宮ヶ瀬エリアでのレア度はいまいちわかりませんが園内では初めて見ました。

園内では珍しい?サカハチチョウ

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こちらがサカハチチョウです。 上の写真と同じ蝶じゃないかと突っ込まれそうですが、よく見てみてください。

翅の白線がずっとつながっていますし翅の端にはオレンジ色の模様もあります。

サカハチチョウはその名の通り漢字の八を逆さまにしたような模様から名前が付けられています。

この個体はかなりのボロなのですが、サカハチチョウの場合には翅の裏側を見てみるのが分かりやすいでしょう。
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するとひび割れたガラスのような独特の模様を見つけることができます。

飛んでいるときに勘違いしたイチモンジチョウと比べてもこの点は一目瞭然です。

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左はサカハチチョウ、右はイチモンジチョウの翅の裏側です。比べると別物ですよね。

サカハチチョウには春型と夏型がいる

今回捕まえたものは夏型のサカハチチョウで、綺麗な個体では黒に白い線とオレンジの線が走るものです。

春型は残念ながら捕まえていないのですが、そちらも非常に綺麗です。
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夏型の裏側の翅が表側に来る感じでしょうか。

春の朝焼けのような非常に綺麗な色なんですよね。

思わぬ遭遇に驚きましたが捕まえられたことで公園にいることが分かりました。春型も見てみたいものですね。

身近な3種のシジミチョウ ヤマトシジミ、ツバメシジミ、ベニシジミの見分けに挑戦してシジミチョウの種類を調べよう。

身近な美しいシジミチョウ3種

ヤマトシジミと言う蝶が身近にいます。身近な蝶では最もよく見られるのですがこの蝶には似た種類がいます。

小さなシジミチョウ3種を比較するので似た蝶のどんなところを見て種類を見分けていくのか、蝶の観察の参考にしてみてください。

どこが違う?3種のシジミチョウ達

まずはその3種を紹介します。

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どうでしょうか?

大きさは同じ位なのですが蝶の姿を見てみるとその色合いが違うことが分かりますよね。

分かりやすい色合いのベニシジミ

特に真ん中のベニシジミは身近なシジミチョウの中ではオレンジ色をしているため、飛んでいる段階でも種類を見分けることができる優しい種類です。
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止まっていても実に鮮やかですよね。

ただのオレンジに見えますが鱗粉と言う粉があるため、実物はややてかてかしています。

特に蝶になりたての個体は思わず見つめてしまうほどの美しさですね。

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ベニシジミは川沿いから空地まで幅広い場所に生えるスイバと言う酸味の強い植物を餌にしています。

そのため見られる環境がヤマトシジミと被っています。特に草地環境であれば一緒に見られることが多いですね。

ややこしい種類ツバメシジミ

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ヤマトシジミと特に似ている難しい種類はツバメシジミです。

見られる環境もヤマトシジミと同じ草地環境であるため、飛んでいる段階では見分けられないことが多いです。

しかし、ツバメシジミはたくさんの装飾があるため、そこに注目すれば見分けられます。
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翅のお尻側を眺めてみるとそこにはオレンジ色の鮮やかな模様が入っていますね。

そして蝶の状態にもよりますが新しい個体であればトゲ状の突起が付いています。

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そして目の色は「黒色」ですね。似たヤマトシジミは灰色の眼をしているのでそこもポイントです。

ぱっと見は似ている蝶でも比較してみると全然違うことが分かりますね。

ヤマトシジミも紹介

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ヤマトシジミは灰色の眼を持ち、黒い点が「?」のように綺麗に円を描きながら入る蝶です。
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この蝶はコンクリートの上などでも成長できる「カタバミ」と言う植物を食べて育つことができるため、街中でも見られる身近な蝶です。
どこでも飛んでいますね。
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冬を除いていつでも見られる蝶ではありますが、多数の蝶が乱れ飛ぶさまを見ると非常に美しく、思わず眺めてしまう蝶です。



シジミチョウを見分けるならどんなところに注目する?

今回紹介した3種だけでもシジミチョウの仲間の見分け方は分かります。

1つ目のポイントはですよね。
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(銅のような独特な色のムラサキシジミ)
種類ごとに色合いが大きく異なる種類がいるため、ベニシジミのような色に特徴のある種類であればそれだけで見分けることができます。

2つ目のポイントはお尻にあるトゲです。
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(オオミドリシジミのお尻のトゲ)
ツバメシジミに見られるようにいくつかの種類にはこのトゲが見られます。

お尻を見てトゲがあるのか、そして色はどうなのかが分かれば種類はなかなかに絞り込めます。

3つ目は翅の輝きですね。
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(紫、水色、緑と様々)
シジミチョウの仲間では翅を広げた時の輝きが種類を絞り込むのに役立ちます。

その輝きにはなどなど様々な色合いがあります。

3つのポイントを見て行けば種類の特定とまではいかなくとも、この種類の仲間までは絞り込めるので、試してみてください。

緑と黒の毒々しい毛虫フクラスズメ 頭を振る面白い技を持つ

毒々しい色合いの大きな毛虫

日当たりのよい場所に生える植物にカラムシと言うものがあります。

昔には茎をつぶして繊維を取り出し、糸や紙などに利用されていた人の生活になじみ深い植物ですが、それを好んで食べる毛虫がいます。
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こちらが本日の主役フクラスズメです。

体の前側を浮かせた独特の待機姿勢が印象に残る毛虫です。

どこに隠れる?フクラスズメの身のこなし

このフクラスズメは1匹見つけると大量にその辺のエリアで見られますが、なぜかなかなか目に付きません。

天敵となるものから身を隠しつつ生きているんですね。 

実はカラムシと言う植物は葉が非常に大きく、この葉の裏に隠れていると全然分かりません。
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こちらは小さいカラムシなのですが、すっぽりと隠れられそうですよね。

この葉っぱに三日月のような欠けがあった場合には注意が必要です
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おや?この葉は怪しいですね。

不自然に葉の右側が凹んでいます。この痕は幼虫がかじった痕です。葉の裏を覗いてみることにしましょう!
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すると葉の中心をとおる太い脈に沿ってきっちり並んでいるのです。お腹がすいたらちょっと端に移動してかじるわけですね。

葉を食べる幼虫の姿 見たことがある?

幼虫は一般的にはかなり嫌われた存在です。多くの方が幼虫を見かけてもどんなふうに葉を食べるのか観察したことがないと思われます。
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フクラスズメは最初に述べたように体の前側を浮かせて待機する習性があります。

それを利用して硬い柄を足で挟んで抑え、前足で美味しい葉をつかんで食べます。

写真上部を見ると分かりますが、幼虫のお尻側の足は吸盤状になっており、落ちないように支えています。

前側の足は手にのせるとチクチクするような鋭さがあります。

毒々しい見た目だけど毒は?

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この模様の毒々しさと頭部の赤がまさに「危険」な感じがしていいですね。 

触りたくないと思ったならば彼らの作戦は大成功です。

実際にはフクラスズメは毒がありません。

触れても大丈夫なのですが、敵に対して頭を小刻みに振る技と全力でバットのように振る技を持ち、かなり驚くので興味のある人は触れてみましょう。

フクラスズメのびっくり技

f:id:aikawa_park:20211003101919j:plain多くの毛虫が逃げようとするのに対し、フクラスズメはこちらに攻撃をしてきます。

これは写真ではとれないのですが、このように体をくねらせて敵に攻撃します。

一瞬でバシッとやってくるので初めて触れようとした人は確実にびっくりするはずです。

秋の面白い昆虫フクラスズメは、石小屋ダムの方面の草でたくさん見つかります。探してみてください。