毒々しい色合いの大きな毛虫
日当たりのよい場所に生える植物にカラムシと言うものがあります。
昔には茎をつぶして繊維を取り出し、糸や紙などに利用されていた人の生活になじみ深い植物ですが、それを好んで食べる毛虫がいます。
こちらが本日の主役フクラスズメです。
体の前側を浮かせた独特の待機姿勢が印象に残る毛虫です。
どこに隠れる?フクラスズメの身のこなし
このフクラスズメは1匹見つけると大量にその辺のエリアで見られますが、なぜかなかなか目に付きません。
天敵となるものから身を隠しつつ生きているんですね。
実はカラムシと言う植物は葉が非常に大きく、この葉の裏に隠れていると全然分かりません。
こちらは小さいカラムシなのですが、すっぽりと隠れられそうですよね。
この葉っぱに三日月のような欠けがあった場合には注意が必要です
おや?この葉は怪しいですね。
不自然に葉の右側が凹んでいます。この痕は幼虫がかじった痕です。葉の裏を覗いてみることにしましょう!
すると葉の中心をとおる太い脈に沿ってきっちり並んでいるのです。お腹がすいたらちょっと端に移動してかじるわけですね。
葉を食べる幼虫の姿 見たことがある?
幼虫は一般的にはかなり嫌われた存在です。多くの方が幼虫を見かけてもどんなふうに葉を食べるのか観察したことがないと思われます。
フクラスズメは最初に述べたように体の前側を浮かせて待機する習性があります。
それを利用して硬い柄を足で挟んで抑え、前足で美味しい葉をつかんで食べます。
写真上部を見ると分かりますが、幼虫のお尻側の足は吸盤状になっており、落ちないように支えています。
前側の足は手にのせるとチクチクするような鋭さがあります。
毒々しい見た目だけど毒は?
この模様の毒々しさと頭部の赤がまさに「危険」な感じがしていいですね。
触りたくないと思ったならば彼らの作戦は大成功です。
実際にはフクラスズメは毒がありません。
触れても大丈夫なのですが、敵に対して頭を小刻みに振る技と全力でバットのように振る技を持ち、かなり驚くので興味のある人は触れてみましょう。
フクラスズメのびっくり技
多くの毛虫が逃げようとするのに対し、フクラスズメはこちらに攻撃をしてきます。
これは写真ではとれないのですが、このように体をくねらせて敵に攻撃します。
一瞬でバシッとやってくるので初めて触れようとした人は確実にびっくりするはずです。
秋の面白い昆虫フクラスズメは、石小屋ダムの方面の草でたくさん見つかります。探してみてください。