長い歴史の中で身に着けた技 擬態!
昆虫たちは様々な方法で鳥などの天敵から身を守ります。擬態(ぎたい)と呼ばれるその技は特に見事で、事前に擬態のさまを知っていなければ見つけることはまずできません。
この季節に素晴らしい擬態を披露してくれるウラギンシジミという虫がいます。擬態を学ぶのにとてもいい身近な虫なのでまずはこちらから挑戦してみましょう。
写真のどこかにいる幼虫をどんな虫か知らない状態で探してみましょう。
分かりましたか?
あらかじめ範囲が決められていれば分かっちゃうかもしれません!
こちらがクズと言う植物の花や蕾に擬態しているウラギンシジミの幼虫です。
紫色の幼虫は派手なので、見つけるとついつい珍しい種類かと思ってしまうでしょうが、見つからないだけで普通にいる種類です。
緑色の葉の上にいるとバレバレですね。 クズの蕾に紛れていることが多いはずなのですが葉の上にいて驚きました。
とはいえ発見できたのは幸運です。彼らの擬態は非常に見事なのです。
改めてみておきましょう
ウラギンシジミ幼虫の姿を見る
この写真の中央付近を見ると2つの角が目立つ幼虫がいることがが分かります。
ここですよココ! 見つけてしまえば簡単ですが、見つけるまでは色が同じでなかなか分かりませんよね。
ウラギンシジミの幼虫はクズの花や蕾に姿を似せつつこれらを食べます。
姿を似せることで天敵の目を欺き、かつ食料も確保するという非常に賢い技といえます。
どれくらい擬態するものに似ているのか?というのはもはやいうまでもありませんよね。ではクズの蕾を見てみましょう。
蕾はこんな感じの雰囲気です。
特に見ていただきたいのは膨らんでいない蕾ですね。 ウラギンシジミの幼虫を上から見てあげるとこの蕾に本当にそっくりなんです。
探すときにはこの範囲の蕾の中にいるぞ!というくらいの意気込みで探してあげないと気が付けません。
特徴的な突起を見ていきましょう。
この幼虫はカタツムリのように可愛い角を持ちます。
角持ちの幼虫は顔側に角を持つことが多いのですが、驚いたことにウラギンシジミの幼虫はお尻側に角を持ちます。
こうした小粒で太くて短い姿は、シジミチョウの幼虫に見られる特徴なので覚えておくと幼虫の見分けに役立ちます。
しかし、紫色の幼虫と言うのは非常にユニークですよね。
その後成虫になる前には葉でサナギになるため、目立つ紫から緑色に変化します。
おそらくこの子は終齢幼虫(しゅうれいようちゅう)で、間もなく蛹になる子だったのでしょう。
擬態の名人ウラギンシジミの幼虫は見つからないだけで多数いるはずです。
虫を探す目を鍛えつつ名人に挑んでみてはいかがでしょうか?
クズの葉には色々な虫がいます。バッタに人気の草です。
aikawa-park.hatenablog.com
成虫が気になる方はこちら。シジミチョウの仲間でも最大種です
aikawa-park.hatenablog.com
植物のクズに興味のある方はこちらもおススメですよ
aikawa-park.hatenablog.com