冬場は、植物も葉っぱを落としてしまうものが多く、色合いも寂しい季節です。しかし、緑ではなく茶色の葉を冬の間につけ続ける植物がいます。
その名もヤマコウバシ。森のわたり橋より奥側に広がるスギ林で見ることができます。葉っぱから心地いい香りがする癒しの植物です。クヌギなども木によっては葉っぱが中途半端に落ちずに残っていたりしますが、ヤマコウバシはそもそも葉を落とす気配を感じさせません。
枝についた枯葉がピーンと緑の葉のようにしっかりと付いているのです。
冬場にヤマコウバシを探していると、先ほどのように茶色い葉が付いた植物が他にも見つかります。そんな時はぜひ葉をちぎってみましょう。
ヤマコウバシが所属するクスノキの仲間には、特有の香りがあります。甘いような辛いような?刺激的な香りがするのですが、これは香辛料で例えるとシナモンが一番近い仲間です。さほど珍しくもなさそうな葉っぱですが、これはあいかわ公園の沢沿い奥地に生えていたニッケイという植物です。個人的にはクスノキ科の香りの代表格だと思います。紅茶にこの香りをつけたらチャイの風味にとても近づくと思います。それくらいニッケイの葉が持つスパイシーな香りは強烈で、気持ちとしては葉っぱを手元に置いておきたいくらいのいい香りがします。
たかだが葉っぱだからと遠慮せずに是非とも植物の葉の香りを嗅いでみてください。自然観察ガイドの植物をテーマにしたイベントでは、植物の香り体験が恐らく一番人気のネタだと思います。