突然ですが、お好きな花の形をイメージしてみてください。皆様はいったいどのような花を思い浮かべたでしょうか?
サクラやウメのように5枚の花弁を思い浮かべた方や、このブログでおなじみのシソ科やミツマタのような面白い形の花を思い浮かべた方もいるかもしれません。今日紹介するのは一見すると花には見えず、これはいったい何か?と疑問に思ってしまうような花です。皆様の花のイメージと照らし合わせてみてください。
あいかわ公園の冒険広場には、数本のヤシャブシという強そうな名前の植物が植えてあります。今の季節には独特な形をした花をつけ、ぼこぼこしたような不思議な木の形をしています。写真は雄しべの役割をもつ花です。
ところで皆様はおしべ、めしべ以外にも雄花、雌花という表現があるのをご存じですか?
1つの花にはおしべとめしべがあるというイメージを持っている方も多いと思います。(両性花と呼ぶ)春に咲くサクラは身近で分かりやすいですね。イメージしやすいように別の花の例を置いておきます。たくさん飛び出ている先の丸い線のものがおしべで、それより中央の白い部分がめしべの両性花。
一方で雄花というのはおしべだけの花のことを言い,雌花というのはめしべだけを持つものをいいます。(雌雄異花)
雄花雌花と言われてもピンっとこない方も多いのではないでしょうか? 実は身近に雄花雌花で分かれている植物があります。
秋に異臭を放つ銀杏が落ちている木と落ちていない木があることに疑問を持ったことはないでしょうか? 銀杏は身近な雄と雌が木毎に分かれている例なのです。実をつけるのは雌株だけです。
このヤシャブシは銀杏とは厳密には違っています。銀杏が1本の木で雄雌分かれているのに対してヤシャブシは1本の木に雄花と雌花を別々につける面白い植物なのです。(多くは雄雌が一緒の花をたくさんつける)
ヤシャブシには種類がいくつかあるのですが、私も調べてみたところ花の並び順で種類が特定できるそうです。
写真の大きな花が雄花なのですが、これが先端に付くものはヤシャブシだそうです。小型の雌花が先に付けばオオバヤシャブシ
このように見てみるとまた自然観察が楽しくなりそうですね。
雄花の後ろ側に小さな雌花がついています。(写真左上の小さな芽のようなもの)
ちなみにですがヤシャブシは松ぼっくりのような実をつけます。これには水を弱い酸性に傾ける性質があり、アクアリウム(熱帯魚飼育)を行っている人々に人気があるのです。ショップで販売されていたりもします。身近な植物が意外なところで使われていたりすると驚いてしまいますね。